不遇の時期を過ごしたアンドレアス・バッケルドが約2年ぶり復活の連勝劇/ナイトロクロス第3-4戦

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2024年10月15日 12:30  AUTOSPORT web

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王者Dreyer&Reinbold Racing(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)に所属するアンドレアス・バッケルドが連勝を飾り、約2シーズンにわたる無勝利の記録を終わらせることとなった
 ダブルヘッダー開催となる2024-25シーズンの第2ラウンドとして、10月5〜6日にソルトレイクシティのユタ・モータースポーツキャンパスで争われた北米発のエクストリーム系ラリークロス選手権Nitrocross(ナイトロクロス)第3-4戦は、王者ドレイヤー&レインボールド・レーシング(DRR)に所属するアンドレアス・バッケルドが連勝を飾り、約2シーズンにわたる無勝利の記録を終わらせることとなった。

 週末に向け、併催カテゴリーのサイド・バイ・サイド(S×S)クラスには、直近までNASCARエクスフィニティ・シリーズにレギュラー参戦していたヘイリー・ディーガンが2021年以来の復帰を表明。このクラスには、言わずと知れた“レジェンド”ことケン・ブロックの妻ルーシーや、息子のミカ、さらに末娘のキラに加え、今季は最高峰グループEのシートを降りたトラビス・パストラーナも出場するなど、ヘイリーの父ブライアン・ディーガンらも競った北米ラリークロス初期の時代を思い起こさせるラインアップとなった。

 そのユタ・モータースポーツ・キャンパスでは、今シーズンより鳴り物入りでファクトリー体制を敷いた名門ダッジブランドが躍進し、水素燃料電池スタック搭載の1080PS(800kW)、0-100km/h加速約1.4秒というフル電動ワンメイクEV『FC1-X』をベースとした『ダッジ・ホーネットR/T FC1-X』が全ヒート制覇の勢いを見せる。

 今季よりその提携先であるDRR・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)でシートを得た注目のリア・ブロックこそ、LCQでタナー・ファウストとオリバー・エリクソンのオルスバーグMSEペアに撃破されたものの、ファイナルではポールポジション獲得のバッケルドと僚友の2連覇王者ロビン・ラーソンが完璧なスタートを決め、表彰台にたった1回しか上がれなかった難しい2023-24シーズンの後、バッケルドが待望の復活勝利を飾ることに。

 明けた日曜も「そろそろ時間だ」と、今季をリセットのチャンスと見なしていたバッケルドが「厳しい時期だったが、今年は立ち直ってふたたび楽しむことがすべてだと考えていた」と、ダブルヘッダー週末で両決勝を制した初のドライバーとなった。

■レース直前に40℃の発熱。出場も危うい事態に

「(9月の開幕戦)リッチモンドでは、週末全体で平均して最速だと感じたが、決勝で運が悪くポイントを獲得できなかったんだ。ここソルトレイクに来て再スタートを切ろうと思っていた」と明かしたバッケルド。

 その開幕戦同様、この週末も両ヒートで接触に終わる可能性も頭をよぎったというバッケルドだが、ありがたいことにチームメイトのラーソンが後方支援する展開に持ち込んだ。

「決勝ではポールポジションからスタートし『今回は何がうまく行かないんだろう?』と思っていた。これまでここに来るたびにいい成績を収めてきたが、いつも間違ったレーンを選んでいた。突然、ジョーカーが速かったり、通常のラインの方が速かったりする。そして最終的に『何を選ぼうが、どうせ間違いになる』という思考に陥った」と続けたバッケルド。

「ターン1でホールショットを決めたが、太陽がとても低く最後の数コーナーは何も見えなかった。今日はロビンがいなかったら、僕は勝てなかっただろう。視界のないターンで誰かが僕を蹴散らしていただろうしね。でも、彼は僕を見ることができたから、自分がどこにいるかを理解し、クルマを適切なポジションで走らせた。それがギャップを作る要因になったんだ」

 しかし、この復活リスタートは開始前に危ぶまれる事態に陥っており、ソルトレイクシティに到着するとすぐにバッケルドは病魔に襲われたという。

「木曜日に連鎖球菌性咽頭炎にかかり、約40度の熱が出た。手、指、つま先、お尻が震え、ペニシリンを飲んだり……いろいろやったよ(苦笑)」と明かすバッケルド。「だから金曜から第3戦初日はできるだけ走らないようにした。それが土曜日の勝利をさらに嬉しいものにした。2年ぶりの連勝は素晴らしいことだけど、レースにまったく出場できない可能性が非常に高かった週末に勝利するのはまた格別さ」

「本当に気持ちよかった。美しいトロフィーを持ってここに立っていて気分がいい。久しぶりだ。1位でゴールラインを越え、勝利を収めることができて本当に良かった。僕はいろいろな意味でとても腹を立て、激怒していた。怒りではなく、幸せな雰囲気と気持ちで寝るのは本当にいいことなんだね」

 日曜は最終フィニッシュ目前にマルチクラッシュが発生する波乱も経て、表彰台は2日連続でバッケルド、ラーソン、そしてオリバー・エリクソンの並びとなり、バッケルドは連勝によりラーソンとエリクソンに次ぐポイントランキング3位に浮上。続く第3ラウンドは11月15〜16日にアリゾナ州フェニックスのファイヤーバード・モータースポーツパークで争われる。

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