手越祐也がTVスタッフから愛されるワケ。ビックマウス&ポジティブキャラも好印象、「使いやすいタレント」と現場も大歓迎

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2024年10月16日 16:20  女子SPA!

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女子SPA!

(画像:『世界の果てまでイッテQ!』TVer配信ページより)
タレントの手越祐也が、ついに『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)に復帰した。

手越は、10月13日放送の同番組へ4年ぶりに出演し、内村光良・宮川大輔とともに「世界で一番盛り上がるのは何祭り? in イタリア」という企画に挑戦。「ウナギ祭り」にて行われた「金のパラデッロレース(立ち漕ぎボートレース)」に参加し大きな話題となった。

今回、4年ぶりに番組復帰を果たした『イッテQ!』での活躍をベースとして、手越のバラエティタレントとしての魅力を、元テレビ局スタッフの筆者が再検証していきたい。

◆手越祐也というポジティブキャラは『イッテQ!』には不可欠

手越は今回、スタジオに呼ばれることはなく、VTR出演だけに留まった。

番組冒頭、内村と宮川は何も知らない手越にドッキリを仕掛ける形で番組出演を発表。この際、手越は「俺もう『イッテQ!』でられんの?」とジャブをかまし、内村からモザイクが掛かっているかもしれないとツッコまれると「最悪、それでも出してください」と気の利いたコメントを披露。この対応力の高さに、手越のバラエティタレントとしての凄みを再確認した。

手越は、旧ジャニーズ事務所からの独立に合わせ、それまで彼も人気を支える一端を担った『イッテQ!』を何の説明もなく降板することに。ファンや手越だけでなく、出演者やスタッフもどこか納得がいかない様子のまま番組を去ったように見えた。

いろいろあった手越が、独立以来の番組出演となれば不調でも不思議ではないが、久しぶりに会う内村と宮川に対して「俺、あん時より全然いまのほうがまだMAXっすよ」とチャラ男発言をかますハートの強さを見せた。この対応力の高さと、4年たっても変わらないポジティブキャラは見ていて気持ちの良いものだった。

◆1時間を手越に割き海外ロケまでした制作サイドは復帰大歓迎

「いまのほうがまだMAX」と豪語した手越だが、番組では早々に活躍の場面が訪れる。現地で立ち漕(たちこ)ぎボートに試乗した際に、いきなり水落ちする体を張った笑いを提供。ナレーションでも、「皆さんお待たせいたしました、4年ぶりのイエーーイ」と自信満々の手越が失敗するさまをイジるおなじみの演出を入れ、番組サイドも復帰を大歓迎した模様。

手越は『イッテQ!』でこれまで、主に「祭り」関連の企画に挑戦。体を張った企画ばかりで、身体能力の高さを武器に数々の難競技に挑み成功させた。

しかも、ビックマウス&ポジティブキャラでしっかりと前フリを行い、失敗した際には笑いを生み出す高等な技術を披露。今回の復帰でもその技術は衰えず、内村、宮川というベテラン芸人とともに次々と笑いを生み出しており、久しぶりの出演とは思えないほど輝きを放っていた。

今回の『イッテQ!』は、いわば1時間を手越に割いたことになる。

手越の調子が悪ければ、内村・宮川という手練れがいたとしても、番組自体が成立しなかった可能性も大だ。テレビマンとしたら、海外ロケまでするわけでかなりのギャンブルになっただろう。

しかし、結果として手越が2人を従えて番組を回すほどの活躍を見せた。

手越も長いタレント生活の中で、どれだけ重要な復帰作になっているかはわかっていただろう。そんなプレッシャーも跳ね除け、番組を成功に導いたスキルとタレント性はやはり特別なものだと、今回の放送で感じさせてくれた。

◆手越祐也が、独立後にも番組で磨いていたバラエティ力

4年ぶりの『イッテQ!』でも変わらぬバラエティスキルを見せた手越だが、ここ数年の活動はコアなファン以外にはあまり知られていない。

独立してからこれまでの期間で、実は手越は番組出演を行っている。地方局がメインだが、『手越祐也のアート!アート!アート!』(RKB毎日放送)、『手越祐也の先生!ゴルフ教えテイッ!』 (GAORA SPORTS)など、さまざまなジャンルの番組に出演。

中でも、独立後に関東地区における初の冠番組となった『ちぃたん☆と手越祐也のホンキでいきます(仮)』(テレビ埼玉)では、体を張った企画にも挑戦した。ゆるキャラのちぃたん☆と一緒にロケをする番組だが、基本は手越が一般人やゲストとのやり取りを一手に引き受けて番組を回していった。

この番組では、自分のキャラを守りながらも、しっかりと一般人やゲストを立てるトークを展開。手越の頭の良さを再確認させる番組で、TVerなどの見逃し配信でも話題を集めた。また、今年9月から配信がスタートしたNetflixの番組『トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ』では、アンジャッシュ・渡部建とコーナー企画に参加。手越は架空のインタビューを受けている設定で、芸人が繰り出す無茶苦茶なネタを真顔でインタビュアーに話し続けるというボケ役を引き受けた。

芸人が手越に言わせたコメントは、下世話なものばかり。しかし、手越は抜群のバラエティセンスを活かして企画を成立させ、渡部以上の活躍を見せることに成功した。

正直、独立後は地方局や配信番組ばかりで、バラエティに関しては納得のいく仕事はできていなかっただろう。ただ、手越は腐らずに目の前にある仕事に全力でぶつかることで、バラエティスキルを磨き続けることができていた。その結果、今回の『イッテQ!』での復活でも結果を残す結果になったのだろう。

◆手越がこの上なく使いやすいタレントである理由

さて、話は『イッテQ!』に戻るが、手越は4年ぶりの復活ながらトークスキルが健在だったことに驚いた視聴者も多かっただろう。

3人が作戦会議をした場面では、番組降板後にたまたま宮川とタイの祭りで再会したエピソードを公開。その時に言われた忘れられない一言として「次、手越くんと会うときはハッピを着て一緒に内村さんとともに3人で『わっしょい!』って言って手越くんを必ず迎えに行くから」と言われたという感動的なトークを聞かせた。

ベテラン芸人2人を差し置いて、手越のトークがもっとも心に刺さり、撮れ高が多かったのはVTRを見ても明らかだ。トークスキルは衰えるどころか、進化を続けていた。テレビマンとしたら、体を張ってふざけたことができながら、締めるところではしっかりとトークで聞かせられる手越はこの上なく使いやすいタレントだ。

イケメンで器用に何でもできるベースがあるから、ふざけても真剣でも画になる。男性アイドルは多くいるものの、こんな芸当を見せられるのはやはり「手越祐也」だけなのではないかと、今回の放送を見て改めて感じた。

結果として、番組では思ったような成果は挙げられなかったものの、手越の復帰は大成功のうちに終了した。今後、手越がどうやって『イッテQ!』に関わっていくかは公表されていないが、間違いなく番組に必要なタレントだ。

SNSを確認する限りでは、手越のレギュラー復帰を望む声ばかり。それに、久しぶりの『イッテQ!』という大舞台ながら緊張せずに自分のキャラを出せた手越は、いまでもスターであることを証明した。

旧ジャニーズ事務所からの独立だけでなく、その後のYouTuber転身などでテレビスタッフからは距離をとれられていた手越。『イッテQ!』のレギュラーへの復帰も含め、テレビへの本格復帰は未知だが、バラエティ番組に無くてはならないタレントであることを今回再確認したテレビスタッフも多いのではないだろうか。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆

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