ナイトスクープ3代目秘書、西田敏行さん愛された理由「泣きながら、いとしいな」「ずっと少年」

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2024年10月18日 12:51  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

松尾依里佳(2014年12月撮影)

バイオリニストでタレントの松尾依里佳(40)が18日、大阪市内で、ABCテレビ「おはよう朝日です」に生出演。76歳で亡くなった俳優西田敏行さんとのあふれる思い出を語った。


松尾は、西田さんが01年から19年まで2代目局長を務めた同局の名物番組「探偵!ナイトスクープ」で、3代目秘書として7年半共演していた。


番組では、西田さんが01年1月就任当時の影像から、19年までの影像をオンエア。ヒット曲「もしもピアノが弾けたなら」を流しながら進行。松尾は「まだやっぱり信じられない思いですし、今も影像、声聞くと…。すぐに隣で語りかけてくれるような気がします」と声を震わせた。


続けて「ほんっとにお優しくて、温かくて。心にいつも情熱を、つねに熱いものをお持ちで…。ほんとに大きい方でした」と言い、西田さんが大勢に愛された理由は「人間大好きな方だったから」と語った。


「人間のいろんな事、清濁あわせのんで、物事を一面で見ない。悲しみの中にあるおかしみ。人間には、つねにいろんな物が含まれているって」


ひとりひとり、それぞれに“ドラマ”を見いだしていた西田さんの大きな愛に、松尾は「私たちに、たくさんの愛を分けてくださった」と感謝した。


探偵が取材してきたVTRを見て、ハンカチで涙をぬぐうシーンが印象深かった西田さん。探偵、顧問らが大笑いしている中で、西田さんだけが泣いていた。


「泣きながら、よくおっしゃっていたのが『いとしいな』『いとしいな』」


西田さんは「いとしい」という言葉もよく使っていた。収録後、食事に行くことも多く「役者仲間のことをたくさん、話してくれた」。大ベテランの名優ながら気取らず、分け隔てない人付き合いでも知られた。


松尾も「すごい大御所でいらっしゃるのに、全然えらそぶらなくて」。ある日、西田さんから「局長じゃなくて、としちゃんって呼んで」と言われたことも明かした。


そこには、西田さんなりの主義もあった。駆け出し時代、役者の世界は厳しい上下関係があった。


「昔は過度に後輩に厳しかった時代もあった。でも、ご自身はなるべく(不要な厳しさは)しないっていうような。そんな姿勢を私たちに見せてくれた」


番組の忘年会でも、西田さんの隣に座り、1年のVTRを振り返るうち、思い出して泣くこともあったという。西田さんからの「思い出の言葉」には、秘書就任直後をあげた。


「もう全然、依里佳ちゃんの、そのまんまでいいから」と言われたと明かし、「すべてを背負って、温かみのある方でした」と言い、また声を震わせた。


「西田さんは、ずっと少年のような…生き生きした心で。つねにご本人がワクワクしていて。昔を振り返って楽しいこと、自分がやりたいこと、いつも考えてらして。だから、みんなが『あったかいお風呂』にのってる感覚でいられた」と、松尾は泣き笑いの表情で振り返っていた。

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