石巻名画座で「ローマの休日」上映 本庄雅之代表は喫茶店マスターも「石巻の人の交流の場を」

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2024年10月20日 00:41  日刊スポーツ

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「石巻名画座」代表の本庄雅之氏

オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック主演の映画「ローマの休日」(ウィリアム・ワイラー監督)が19日、宮城・石巻のシアターキネマティカで行われた「石巻名画座」vol.10で上映された。


1953年(昭28)に公開され、新人だったヘプバーンが同年のアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得した。ヘプバーン演じるヨーロッパ某国のアン王女がヨーロッパ各国を親善訪問中に、最後の滞在国イタリアのローマでひそかに抜け出す。アメリカの通信社記者のジョー・ブラッドレー(ペック)と出会い、その素性に気づいたブラッドレーはスクープを狙ってローマ案内を申し出る。


スクーターに2人乗りしてローマ市内を巡り、真実の口、祈りの壁を訪れ、サンタンジェロ城前の船上パーティーに出席。王室の追っ手を逃れた2人は、互いに好意を抱くが、アン王女は元へと戻る。ブラッドレーはスクープを握りつぶし、翌日の王女の記者会見に出席。そこで王女は、ブラッドレーの正体を知る。報道陣から「一番楽しまれた訪問地はどちらでしょうか」と聞くと、アン王女は「どこの国も」と言いかけるが、ブラッドレーの顔を見つめながら「断然、ローマです」と力を込めて言う。


上映後はトークショーが開かれ、石巻名画座の本庄雅之代表(65)は「この映画が一番好きで、この作品をずっと上映したいと思っていました。ヘプバーンは、まだ新人でしたが、この映画で世界的なスターに。その中でも特に日本での人気が高かった」。他に皇后陛下雅子さま、秋篠宮妃紀子さま、秋篠宮内親王佳子さまの話題も取り上げた。


劇中で抜け出したアン王女が美容院で長い髪をバッサリと切って、ショートヘアに。「ヘプバーンカット」として世界中で流行して、ヘプバーンはファッション界でもアイコンとなった。本庄氏は「髪をバッサリと切るシーンですが、カツラだそうです。失敗したらやり直しがきかないですからね」。また、手を口に入れるとうそをつく者は切り落とされる真実の口のシーンについて「ペックの意見で、袖口に手を引っ込めて隠す演技をしたそうです。ヘプバーンには知らされていなかったので、大きな驚きは演技と言うよりも、真に迫ったものになったそうです」と説明した。


20日も同所で上映。次回第11回は、12月14、15日に映画「第三の男」(1949年)が上映される。


本庄氏は石巻出身。東京で30年以上にわたりスポーツ新聞の芸能記者として主に働き、21年1月にUターン。昨年3月の映画「ひまわり」から2カ月に1度のペースで「石巻名画座」を開催している。「故郷の石巻の人たちが交流する場を作りたかった。友達同士で見に来たり、昔の友達と再会したり、石巻の映画文化を作って行ければいいなと。今回、映画館の横に石巻の画家の宮本悠合さんと建築デザイナーの大林政夫さんに『真実の口』の実物大のレプリカを作ってもらいました。写真撮影にも最適で映えるので、石巻の名所にしていきたいですね」と話している。


先月11日には、石巻市民の憩いの場として親しまれながら昨年12月に閉店となっていた喫茶店「珈琲館」を復活させた。本庄氏はマスターとして、コーヒーをいれている。「故郷の石巻の街が寂しくなるのが、嫌でね。市民の方が集まれる場所がある安心感を提供できればと思っています。コーヒーは1日に1杯は飲んでいたけど、いれるのは2カ月くらい特訓しました。東京からも3時間半くらいで来られるので、知り合いに飲みに来てほしいですね」と話している。

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