若い頃より音域広がる八神純子、岩崎宏美 「ローエングリン」で女優としての覚悟を見せた橋本愛

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2024年10月21日 05:01  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

「ヤガ祭りthe 6th Legends〜with岩崎宏美〜」のステージから観客に挨拶する、左から国府弘子、岩崎宏美、八神純子、宮本貴奈

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>



歌手八神純子(66)が、11日に岩崎宏美(65)をゲストに迎えて、東京・太子堂の人見記念講堂で開いたコンサート「ヤガ祭りthe 6th Legends〜with岩崎宏美〜」を見に行ってきた。


八神が岩崎の「万華鏡」、岩崎が八神の「出発点(スタートライン)」を披露。そして八神の「ポーラスター」、岩崎の「聖母たちのララバイ」など互いのヒット曲をメドレーで一緒に歌った。最後は2人で八神の「みずいろの雨」を歌い上げた。


八神は宮本貴奈、岩崎は国府弘子とピアノ1台だけをバックにコンサートを続けている。自身の「声」で勝負する、プロのとしての覚悟と自信を感じた。


その一方で「歌姫」「女王」ともてはやされてきた歌手が、加齢とともに声が出なくなってくる厳しい現実を見てきた。還暦すぎの記者にとっては、自身の老いをも見せつけられるようでとてもつらい。


それが、八神と岩崎は年齢など感じさせない、むしろ音域が若い頃より広がってるんじゃないかという歌声を奏でてくれた。歌手にとって「身体は楽器」と感じさせくれた。たゆまぬ努力と節制で「年を取っても伸び代はある」と教えてもらった気がする。


そして、もう1つ。5日に横浜の神奈川県民大ホールで上演されたサルヴァトーレ・シャリーノ作曲のオペラ「ローエングリン」を見てきた。女優橋本愛(28)が、たった1人でオーケストラを従えて挑んだ。


7月にインタビューした時は、稽古が始まる前で「どういう舞台になるのか検討もつかない」と話していた。ただ「やったことのない方をいつも選ぶようにしている」と女優としての覚悟を見せてくれた。


たった1人で舞台に登場した橋本は、オーケストラの演奏に合わせて獣の声や鳥の鳴き声。せりふはほとんどなく、最初はどうなるのかと思った。


だが、それは杞憂(きゆう)だった。1人きりで演じきる橋本の迫力に観客は引き込まれ、総立ちで拍手を送った。今後は、さらに進化するのだろう。再演をぜひ、期待したい舞台だった。【小谷野俊哉】

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