10月19〜20日、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)第12戦スペインラウンドが、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、レース1とスーパーポール・レースはニッコロ・ブレガ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、レース2はトプラク・ラズガットリオグル(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が優勝した。
ラズガットリオグルはレース1で、2024年シーズンのチャンピオンに輝いた。
SBKの2024年シーズン最終戦となるスペインラウンドは、チャンピオンが決定するラウンドとなった。スーパーポールの結果により、ポールポジションにはブレガ、2番グリッドにラズガットリオグル、3番グリッドにアレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が並んだ。
アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)は15番手。スポット参戦の長島哲太(チームHRC)は、20番手からのスタートとなった。
レース1は、気温24度、路面温度30度のドライコンディション。ホールショットを奪ったのはブレガで、2番手にラズガットリオグル、3番手にはアンドレア・ロカテッリ(パタ・プロメテオン・ヤマハ)が浮上する。
トップのブレガは序盤から攻め、ラズガットリオグルもそれに追従する。ブレガは3番手以下を引き離すとともに、ラズガットリオグルとの間にもギャップを築いていった。
ブレガはトップを譲ることなく、ポール・トゥ・ウインを飾った。今季5勝目である。ラズガットリオグルは2位でゴールした。3位はロカテッリが獲得している。4位はアレックス・ロウズ、5位はイケル・レクオーナ(チームHRC)。長島は15位だった。バウティスタは2度の転倒を喫し、23位でレースを終えている。
この結果、ラズガットリオグルはチャンピオンシップで493ポイントを獲得し、ランキング2番手のブレガとの差が41ポイントとなったことから、ラズガットリオグルが2024年シーズンのチャンピオンに輝いた。
ラズガットリオグルにとって、2021年以来2度目であり、BMW移籍初年度でのタイトル獲得。BMWにとってはWorldSBK史上初のタイトルとなる快挙だった。
また、このレースでAruba.it レーシング-ドゥカティが2024年シーズンのチームタイトルを、ドゥカティがマニュファクチャラータイトルを獲得した。
■レース2:ラズガットリオグルがブレガを抑えて優勝
スーパーポール・レースでも、ブレガが優勝を飾った。2位はラズガットリオグル、3位はアレックス・ロウズが獲得している。バウティスタは9位、長島は19位だった。
レース2のフロントロウは、スーパーポール・レースの結果により、レース1と同様の並びとなった。ポールポジションがブレガ、2番グリッドはラズガットリオグル、3番グリッドはアレックス・ロウズである。バウティスタは3列目9番グリッド、長島は19番グリッドからのスタートとなった。
レース2は気温25度、路面温度30度のドライコンディション。ホールショットを奪ったのはブレガでレースをリードしていたが、2番手に続くのはラズガットリオグルである。このスペインラウンドでブレガの後塵を拝しているラズガットリオグルは、このレースではブレガの背後にぴたりとつけ、3周目の1コーナーの飛び込みでブレガをオーバーテイク。激しいブレーキングでブレガを抜き去った。
2番手となったブレガだが、ラズガットリオグルに追従する。ラズガットリオグルとブレガは後方を引き離していった。ラズガットリオグルはブレガを背後に、しかしオーバーテイクをゆるさない。
残り4周、フィリップ・エッテル(GMT94ヤマハ)のマシンがメインストレートで白煙を上げた。このトラブルにより赤旗が提示され、レースは終了となった。
ラズガットリオグルは2024年シーズン最終戦最後のレースで優勝を飾った。2位はブレガ、3位にはラズガットリオグルのチームメイト、マイケル・ファン・デル・マーク(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が入り、ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチームのふたりが表彰台に立った。
4位はアンドレア・イアンノーネ(チーム・ゴーイレブン)、5位はアレックス・ロウズ。バウティスタは転倒を喫してリタイアに終わった。長島は16位だった。
スーパースポーツ世界選手権(WSSP)では、ステファノ・マンジ(パタ・ヤマハ・テンケイト・レーシング)が優勝し、2位はヤリ・モンテラ(バーニー・スパーク・レーシングチーム)、3位はアドリアン・ウエルタス(Aruba.itレーシング・ワールドSSPチーム)。鳥羽海渡(ペトロナス・MIEレーシング・ホンダ)は14位だった。このレースで、ウエルタスがWSSのチャンピオンに輝いた。
レース2も優勝はマンジ、2位はヴァノントン・デビース(エヴァンブロス.ワールドSSPヤマハチーム)、3位はボ・ベンスナイダー(MVアグスタ・Reparto Corse)。鳥羽はこのレースも14位で終えた。
女性サーキット・レーシング世界選手権(WCR)ではレース1でマリア・エレーラ(クリント・フォワード・レーシング・チーム)が優勝し、2位はアナ・カラスコ(エヴァンブロス・レーシング・ヤマハ・チーム)、3位はベアトリス・ネイラ(Ampito/パタ・プロメテオン・ヤマハ)。平野ルナ(チーム・ルナ)は19位だった。
レース2ではサンチェスが優勝し、ネイラが2位、3位にカラスコが入った。平野は22位だった。カラスコとチャンピオンを争っていたエレイラは最終コーナーでサンチェスと接触、転倒してリタイアに終わり、この結果、カラスコがWCRの初代チャンピオンに輝いた。
スーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)では、レース2で6位に入ったアルディ・マヘンドラ(チームBrCorse)が、インドネシア人として初の世界チャンピオンとなった。