トヨタWRC、オジエがリタイアも勝田が日曜最速でポイント確保。代表も「貴元の活躍を嬉しく思う」と感謝

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2024年10月21日 11:50  AUTOSPORT web

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2024年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
 10月20日(日)、ドイツ、チェコ、オーストリアの3国を舞台とする2024年WRC第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー』は大会最終日を迎え、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)からは4台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出走し、そのうち2台が完走を果たした。

 最終的な順位とスーパーサンデーの結果は、エルフィン・エバンス(33号車)が総合2位/スーパーサンデー2位、勝田貴元(18号車)が総合4位/スーパーサンデー1位で2台が完走。セバスチャン・オジエ(17号車)と4台目出走のサミ・パヤリ(5号車)は、日曜日にそれぞれクラッシュによってリタイアとなった。

 セントラル・ヨーロピアン・ラリーの最終日デイ4は、ドイツ南東部バイエルン州『カルプフハム』のサービスパークを起点に、ドイツ国内で2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は54.08kmだった。

 デイ4のステージは全体的にドライコンディションであったが、いくつかのコーナーはインカットにより掻き出された土や泥が舗装路面に広がり、非常に滑りやすい状態となっていた。

 デイ3終了時点で、総合2番手のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)に5.2秒差をつけて首位に立っていたオジエは、デイ4オープニングのSS15でコースオフ。10秒程度を失い総合2番手に後退した。

 続くSS16では勝田が今大会2本目となるベストタイムを記録し、オジエは1.5秒差の2番手タイムに続いた。その結果、タナクとの差を1.5秒に縮め、逆転を期してSS17に挑んだものの、泥で滑りやすくなっていたコーナーでクルマが大きくスライドし、木に激突。残念ながら再走不能の状態となり、リタイアとなってしまった。

 そのSS17では、エバンスがベストタイムを記録し、総合2番手にポジションアップ。また、3番手タイムを刻んだ勝田もSS17で総合4番手となった。そして迎えた最終のパワーステージ、SS18で勝田は大会3本目となるベストタイムを刻み、最大となる5ポイントのボーナスを獲得した。さらに、日曜日のみの合計ステージタイムによって競われるスーパーサンデーも制し7ポイントを追加。日曜日に得られる最大ポイント『12』を手にした。

 そして、エバンスはパワーステージを3番手タイムで走破。スーパーサンデーでも勝田に次ぐ2位となり、前戦ラリー・チリ・ビオビオに続く、今シーズン5回目の総合2位でセントラル・ヨーロピアン・ラリーを締めくくった。

 エバンスと勝田の貢献により、TGR-WRTはマニュファクチャラー選手権でメインライバルのヒョンデよりも、2ポイント多く獲得することに成功。ポイント差を17から15に縮め、チームと勝田にとってのホームイベントである次戦ラリージャパンに、逆転タイトルの可能性を残している。

 今回がトヨタGRヤリス・ラリー1でのターマック(舗装路)ラリー初戦に挑んだパヤリは、デイ3終了時点で勝田に次ぐ総合6番手につけており、堅調に週末を進めていた。しかし、残念ながらデイ4最初のSS15でコースオフを喫し、マシンにダメージを負ったことでリタイアとなってしまった。次戦ラリージャパンでパヤリは、当初の予定通りトヨタGRヤリス・ラリー2でWRC2カテゴリーに出場し、2位以内でフィニッシュでの自力タイトル獲得を目指す。

 ヤリ-マティ・ラトバラチーム代表は、ヒョンデ勢と激しいポイント争いを繰り広げた第12戦について、「エルフィン(・エバンス)と(勝田)貴元が、とくに日曜日、非常に素晴らしい結果を残してくれたことを嬉しく思う」と振り返る。

「彼らの貢献によりチームはチャンピオンシップ争いに残ることができた。当然ながら、セブ(セバスチャン・オジエ)は非常に落胆していた。彼は今回も非常に速かっただけに、不運なアクシデントに見舞われたのは非常に残念なことだ」

「それによって多くのマニュファクチャラーズポイントを失うかもしれないと覚悟したが、最終的には貴元とエルフィンのおかげでライバルとの差を2ポイント縮めることができた。これによって、次戦ラリージャパンでワン・ツーフィニッシュを挙げ、さらに日曜日にフルポイントを獲得すればタイトルを守ることができる状況に持ち込む事ができた。すべては我々次第だ」

「今大会では、とくに貴元の活躍を嬉しく思う。休養を経てカムバックした彼は我々の期待通りに戦ってくれたからだ。必要な時には慎重に走って自信をつけ、日曜日はごく自然にパフォーマンスを発揮していた」

「一方、サミ(・パヤリ)に関してはターマックでパフォーマンスはつねに進化していたと思う。彼はほんの少しのミスにより大きな代償を支払うことになったが、それも学習プロセスの一部だと思う。彼の次の目標は、日本でWRC2のタイトルを争うことだ」

 残るラウンドは、11月21日(木)から24日(日)にかけて日本で開催される第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン』。愛知・岐阜を中心とした公道ステージを舞台に、各選手権のチャンピオンを決める戦いが繰り広げられる。

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