ドラマ『民王』続編へ“不安の声”も。菅田将暉・高橋一生“不在”でヒットする? 3つの観点で予測

0

2024年10月22日 16:01  女子SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

女子SPA!

画像:テレビ朝日『民王R』公式サイトより
2015年に放送された名ドラマ『民王』が、10月22日から『民王R(たみおうあーる)』(火曜よる9時〜)として戻ってくる! 9年ぶりとなる続編に期待が集まる一方で、SNSには不安の声も上がっています。

前作には大きな反響があり『民王スペシャル〜新たなる陰謀〜』『民王スピンオフ〜恋する総裁選〜』と続編も放送されるほど。前作『民王』がヒットした要因とともに、『民王R』も同じようにヒットするかを、3つの観点から予想してみましょう。

◆菅田将暉・高橋一生の実力を世に知らしめた前作

『民王』は池井戸潤氏の小説が原作。現職の内閣総理大臣とおバカな大学生の息子の人格がある日突然入れ替わってしまうという、前代未聞の大珍事が起こります。ドラマでは時にシニカルに、時にハートフルに悪戦苦闘する親子を描き、人気を博しました。

前作では、内閣総理大臣・武藤泰山(遠藤憲一)、彼と入れ替わるバカ息子・武藤翔(菅田将暉)、そして泰山の秘書・貝原茂平(高橋一生)らによるテンポのよい掛け合いが、ドラマを盛り上げていました。

菅田将暉は、いまや言わずと知れたトップ俳優ですが、2015年の放送時点では本作が民放の連続ドラマ初主演です。2009年に『仮面ライダーW』(テレビ朝日系)で俳優デビューした菅田。映画『共喰い』『そこのみにて光輝く』では数多くの賞を受賞するなど若手の注目俳優であったことに間違いはありません。

前年には朝ドラ『ごちそうさん』にも出演し、上り調子だったタイミングで『民王』で遠藤と共にW主演。優男で泣き虫の大学生と一国の総理大臣というふたつの顔を演じ分け、その実力が確かなものであることを、世に知らしめた作品といえるでしょう。

◆高橋はスピンオフ主演後、ドラマ『カルテット』で大ブレイク

もう一人この作品で注目されたのは高橋一生。8カ国語に通じ、記憶能力も野心も半端ない、泰山のスーパー優秀な公設第一秘書・貝原を演じました。無表情でクール。辛辣なツッコミを総理にもさらっといれる毒舌なクセ強なキャラが人気を博し、「民王スピンオフ」では主演に抜擢(ばってき)されるほど。

高橋は1995年『耳をすませば』で主人公に想いを寄せる天沢聖司の声を担当したことが注目されますが、俳優として大きな話題を集めるには時間がかかりました。しかし話題作のドラマや映画に多く出演してきたことで確かな演技力を培っていきます。そして『民王』で話題を集め、2年後のドラマ『カルテット』(TBS系)で大ブレイク。今や貝原のようなクセ強キャラから好青年まで幅広い役を演じる、誰もが知る俳優です。

◆大橋和也、あの、山時聡真の演技力に不安の声も

続編と聞いて、菅田将暉・高橋一生の出演を期待した方も多いでしょう。総理大臣を演じる遠藤憲一は続投ですが、菅田・高橋の出演は現時点で発表されていません。そして遠藤と入れ替わることになるであろうキャストたちは、大橋和也(なにわ男子)、あの、山時聡真の3人が発表されました。

演技の面ではまだまだフレッシュな面々で、不安の声が上がるのも頷けるキャスティングではあります。

◆フレッシュな3人と、ベテラン勢の掛け合いに期待

しかし、脇を固めるのは満島真之介、溝端淳平、そして岸部一徳。前作に続き山内圭哉や金田明夫、峯村リエも出演することも決まっています。

前作でも遠藤憲一、草刈正雄、西田敏行といったベテラン勢と若手だった菅田・高橋との掛け合いが話題となり、ヒットにつながったことは確かです。そういう意味では、今回もその法則は守られているといえるでしょう。

◆前作は池井戸潤氏の小説が原作。今回は違うの?

『民王』の原作者である池井戸潤氏の小説は、『半沢直樹』『下町ロケット』『花咲舞が黙ってない』『ハヤブサ消防団』などなど、数多くの大ヒットドラマの原作になっていることでも有名です。

2010年に単行本が出版された『民王』も、文藝春秋・KADOKAWAからそれぞれ文庫版も出る人気ぶり。2021年には続編となる『民王 シベリアの陰謀』(KADOKAWA刊)が発表されており、今年の5月に角川文庫で文庫版が刊行されています。

今回は、その続編が原作なのかと期待していました。しかし、公式ホームページを見ると……

「2015年に放送された名ドラマ『民王』が9年ぶりにReturn!
池井戸潤原作『民王』に〜Inspire インスパイア〜され
主演:遠藤憲一で『民王R(たみおうあーる)』となって帰ってくる!」

……はて? インスパイアというのは、一体? 言葉通りに受け取れば、尊敬する作品に触発され、同じテーマに基づいて創作されるということです。どうなのでしょうか?

ただ、主演の遠藤憲一は、池井戸氏との対談において「池井戸さんの作品は、根底には必ず社会問題がある。そこがガツンとありながら、道を逸れていくおもしろさが真骨頂だと思うんです。そのなかでもとくに弾けているのが『民王』。池井戸さんが作ってくれた原型は壊れていないと思う」(テレ朝POST/2024年10月11日)と語っているので、原作の良さは引き継がれている可能性が高いです。

◆インスパイアならなおさら、脚本家の力量に期待

インスパイアとなると、作品の面白さはより脚本にかかってくると言っても過言ではありません。

前作の西荻弓絵氏に代わって、本作では加藤陽一氏を中心に複数人で担うようです。加藤氏は、大学時代に放送作家としてデビューして、『アイカツ!』『妖怪ウォッチ』『宇宙兄弟』をはじめとする多数のアニメ作品で、シリーズ構成・脚本を担当。キャッチーな決め台詞を生み出し、幅広い層に向けてヒット作品を送り出してきました。

ゴールデンプライム帯のドラマの脚本を担うのは初となりますが、ヒットメーカーの構成・脚本には期待できそうです。

==========

前作ファンからすれば、確かに若手のメンバーが話題性先行で選ばれた印象がぬぐえませんが、面白くなる要素はありそうです! 不安と期待の入り混じる初回鑑賞になりそうです。

<文/鈴木まこと(tricle.ltd)>

【鈴木まこと】
tricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201

    ニュース設定