「楽しい挑戦だった」M.ナイト・シャマラン監督&娘・サレカ、『トラップ』での共同作業を語る

0

2024年10月22日 16:01  cinemacafe.net

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

cinemacafe.net

『トラップ』©2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED
M.ナイト・シャマラン監督の最新作『トラップ』よりミュージッククリップが解禁された。

家族思いの父親が実はサイコな切り裂き魔だったという衝撃的な設定で予測不能の展開を見せる本作。巨大なアリーナライブを舞台に、観客を巻き込んだ前代未聞の罠が仕掛けられるサスペンススリラーだ。

この度解禁された映像は、巨大アリーナ着いたクーパー(ジョシュ・ハートネット)と娘のライリーが、熱狂的なファンと一緒に会場入りしたレディ・レイブンに手を振る場面から始まる。

「手を振ってくれた!」と驚喜する少女たちの横で、父と娘は「良かったね」とアイコンタクトを交わす。続いてレディ・レイブンが登場し、「SAVE ME」のミュージッククリップへ。

白い衣装を纏ったレディ・レイブンが黒の革ジャンに身を包んだダンサーたちを従えて「私を助けに来て、彼は私に嘘しか言わない、それに…」と意味深に歌い始める。そして会場で上映されている映像に合わせて踊り始めた娘をクーパーが撮影している微笑ましい場面へと続いていく。

ここで映像は一転。深紅の画面にクーパーのもう一つ顔がクローズアップされ、「逃げ出してみせる。誰にも邪魔はさせない」という切り裂き魔の心の声が囁かれる。カメラは会場へと戻り、「いいぞ、さすがだな」と娘にキスしてハグを交わすクーパーの姿を捉えるのだが…。

さらに本映像の公開に併せて、レディ・レイブン役のサレカ・シャマラン、M.ナイト・シャマラン監督、ジョシュ・ハートネットのコメントも到着した。

レディ・レイブンを演じたサレカ・シャマランは、本作の始まりについて「父がライブ会場に連続殺人犯がいるというアイデアを思いついた。それがこのプロジェクトの始まりだった。彼は曲が入るスペースを空けた脚本を書き、私はそのためにアルバムを作ることになった。脚本を読んで、ストーリーに驚き、どんな映画になるのかと想像を膨らまして想像以上に夢中にさせられた。ページをめくる手が止まらず、とてもエキサイティングだった」とふり返る。

そして、M.ナイト・シャマラン監督が「私たちは架空のアーティスト、レディ・レイブンを作ろうとして、まずは、サレカにアルバムを制作し、レコーディングしてもらうことから始めた。こういう設定で、この架空のキャラクターはこういう人物だ。彼女は観客に対してこう思っている。これが、彼女が愛される理由だ。これが彼女の最新アルバムだ。このキャラクターの視点から曲を書けるか?とね」と明かし、父と娘の共同作業によってレデイ・レイブンが形作られていった。

そのネーミングには家族のこだわりがあるとサレカ・シャマランが明かす。「キャラクターの名前はいろいろ考えたけれど、レディ・レイブンが一番気に入った。カラスは私たちの家族にとって、ダークだけど美しく、強くて威厳のあるものの象徴」。

レディ・レイブンと巨大なアリーナライブをゼロから作り上げることは大いなる挑戦だった。サレカ・シャマランは制作プロセスを、「私たちは基本的にはスタジアムツアーと同じ準備をした。曲、振り付け、衣装、フルスクリーン、すべての転換、複数のセット。細部に至るまで完璧に準備し多くの時間を費やした。通常の映画の美術ではなかった」と語る。

父シャマランから「よし、ツアーを作ろう。このキャラクターのツアーはどんな感じ? オープニングの曲は? その後の展開は? 観客が驚いたり、盛り上がるポイントは? ライブでの曲順はどうするか?」と問いかけられ、父のリクエストに応じていった。

最も苦労したのは、「ストーリーテリングの役割を担う曲にしなければいけないし、クーパーが逃亡しようとする状況にも合う曲にする必要があった。また、映画の中の音楽としても機能する必要があった。曲は両方の役割で機能しなければならない。とても難しかったけれど、とても楽しい挑戦だった」と語っている。

また、本作における多層な仕掛けの一つが、逃げ場ゼロに追い込まれたサイコな切り裂き魔クーパーの複雑な心情がレディ・レイブンの曲によって歌われることだ。オリジナル曲を全て書き下ろしたサレカ・シャマランは、レティ・レイブンの曲調と歌詞が発するメッセージにもこだわった。

「クーパーが絶望的な状況になり、この状況を打開するために、よりクレイジーなことを試みるようになるにつれて、ストーリーの緊張感はどんどん高まり、事態はエスカレートしていく。同時に、曲調も盛り上がっていって激しくなる。セットやダンス、衣装も徐々に過激になっていく。父がとても具体的に脚本を書いたので、私は音も歌詞もそれに合うものにする必要があった。どのシーンも感情がとても具体的に描かれている。ある場面では、クーパーは男を騙すようなことをする。彼は策略を立てて、状況を楽しんでいる。それから、トランシーバーを手にして、事態がさらに悪化しそうなことが聞こえて、より緊迫した状況になると、曲はよりリズミカルになり、少しダークで、何かを探し求めるような感じの曲になる。音楽はストーリーを増幅させる装置だといつも考えていた」と、アリーナから逃げ切ろうとするクーパーの行動と心情にシンクロする楽曲に隠されたもう一つの秘密を明かしている。

主演のジョシュ・ハートネットは、「おそらくナイト監督以外では、彼女はこの映画で最も多くの仕事をこなした。彼女はアルバムをレコーディングし、ステージの振り付けを完璧に覚えた。つまり、彼女はツアーをやったんだ。しかもキャラクターも作らなければならなかった。彼女は音楽を作るにあたって、私のキャラクターと音楽との相互作用を考えたり、クーパーが状況をどう理解しているかを楽曲で表現するということまでやっていた。どの曲も、その曲自体が素晴らしいものだが、映画の中でクーパーが経験することと共鳴しているんだ」と、サレカ・シャマランが成し遂げた作品への貢献に最大の賛辞を贈っている。

『トラップ』は10月25日(金)より全国にて公開。





(シネマカフェ編集部)

    ニュース設定