Juju、フォーミュラE女性テストに参加の噂「発表を楽しみに待っていてほしい」とABT代表。東京大会時に接触

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2024年10月23日 10:30  AUTOSPORT web

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DHLフォーミュラEアンバサダーに就任したJuju
 2024/2025年のシーズン11のラインアップが次々と発表されているフォーミュラE。とくにシーズン11からは、日本のヤマハがローラ、ABTスポーツラインとタッグを組んで新たに挑むとあり、大きな注目を浴びている。

 また、今季からはフォーミュラE主催で女性限定のルーキーテスト(スペインのバレンシアで11月7日に開催)が開始されるとあり、各チームの参加ドライバーが発表される中で、ヤマハとローラと提携するABTスポーツラインからの出走ドライバーが気になるところ。

 そこで先日行われたDTMドイツ・ツーリングカー選手権最終戦の現場で、ABTスポーツラインの代表取締役を務めるトーマス・ビアマイヤーに、ヤマハや気になる女性テストドライバーについて聞いた。

■2024年東京大会での「感動」

──提携することになったヤマハの印象、また今後の展望について聞かせてください。

トーマス・ビアマイヤー:すでにミーティングやテスト等でヤマハの方々とは何度もお会いしているが、日本人らしくその準備やオーガニゼーション能力が非常に長けており、フォーミュラEへの期待やモチベーションに溢れている。まだシーズンは始まっていないが、ヤマハとローラとの仕事をすでに非常にエンジョイしているし、今後に彼らとの提携がサクセスフルなものになると感じている。

 しかし、フォーミュラEに長年参戦するABTとして現実的に考えると、バレンシアのテストやサンパウロ等、シーズン開幕後しばらく我々は確実にとても苦戦するだろうと予想している。ただ、それはごく当然なことであり、その過程なしには成功への道のりはあり得ないと断言できる。

──ヤマハとの提携とあり、ABTのチーム内で日本人のヤマハのエンジニアがフォーミュラEで活躍する、といった可能性はありますか?

ビアマイヤー:ヤマハの方と現場で一緒に仕事ができるのならば、それは我々にとっても大きなサポートとなり心強いのは間違いないのだが、フォーミュラEではチームやサプライヤーの現地活動に参加できる人数が厳しく制限されている為、それが叶うかどうかは、今後の調整によって決まるだろう。

──今年初開催となったフォーミュラEの東京大会は大盛況でした。来年の東京ではニッサンに続きヤマハ(ローラ・ABT)が日本の国旗を掲げて参戦するとあり、日本のファンは東京大会を待ち遠しいと思っているはずです。

ビアマイヤー:ヤマハとローラと提携し、ABTがそのヤマハの故郷である日本で再びレースを戦えることを非常に嬉しく、楽しみにしている。今年の東京大会の雰囲気やオーガニゼーション、そして日本のファンからの歓迎とおもてなしの素晴らしさに、私やチームはとても感動したし、再びあの場所へヤマハとともに行けると思うといまから楽しみで仕方がない。

■「日本人をレギュラー起用する考えはいまのところまったくない」

──さて、多くのチームがすでに今年11月のテストで起用する女性ドライバーを発表しています。ABTはヤマハと提携するということで、日本人女性ドライバーの起用が噂されていますが、それは正しいでしょうか? たとえば、Juju(野田樹潤)選手?

ビアマイヤー:チームからのプレスリリースを出すのは10月の4週目末か、その翌週の初めになる予定で、その発表を楽しみに待っていてほしい。

──全日本スーパーフォーミュラ選手権やBOSS GPで活躍するJuju選手が、F1へ参戦するまでの足掛かりとしてフォーミュラEへのシリーズ参戦を希望し、ヤマハを通してABTと交渉をしているとの情報を得ましたが、実際にそのような話し合いはあったのでしょうか?

ビアマイヤー:レギュラードライバーとしての交渉という部分では、その情報は正しくはないだろう。彼女がフォーミュラEにレギュラードライバーとして参戦するためには、第一にライセンスの取得が必要で、ドライバーとしての経験値としてもいまの彼女には厳しく、今季や来季からレギュラードライバーになることは難しいだろう。もしも彼女がフォーミュラEのレギュラードライバーになりたいのならば、まずはシミュレーターから始める必要があるのではないだろうか。

──そもそも、どのようにJuju選手と接触されたのでしょうか?

ビアマイヤー:今年のフォーミュラEの東京大会の際に、JujuはDHLのアンバサダーとして参加しており、ヤマハを通して彼女とそのマネジメントチームと知り合った。それから互いにコンタクトを取り合っているが、彼女がABTスポーツラインから女性ドライバー枠でテストをするかどうかは、現時点では私の口からは公表できない。

──ABTが日本のヤマハと深い関わりを持ってフォーミュラEの新シーズンへ参戦することで、男女問わず将来的に日本人ドライバーの起用が期待されるのではないでしょうか。ヤマハはトヨタとのつながりも強いこともあり、トヨタ系のドライバーの推薦もあるかと予想しますが、ABTとしてそのような将来的な構想は?

ビアマイヤー:長年ABTのドライバーとして活躍するベテランのルーカス・ディ・グラッシと、今季新たに加入したルーキーのゼイン・マロニーでこの先のしばらくのシーズンを戦うことを願っている。とくにチームとしてはベテランのディ・グラッシのサポートとともに、実力派の若手マロニーを育成し、トップを争うドライバーになることを目標としているし、このふたりのコンビネーションに非常に満足しているだけに、日本人ドライバーをレギュラーに起用する、という考えはいまのところまったくない。

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 なお、仮にJujuが11月7日にバレンシアでのテストに参加する場合、翌8日午後から鈴鹿サーキットで走行が始まるスーパーフォーミュラ第8・9戦に向け、かなりタイトな移動を強いられることになる。

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