画家吉野祥江、ポップアートが増えている世界で油絵を描く「クラシックな感じが新鮮と」/連載4

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2024年10月24日 05:00  日刊スポーツ

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夫のミッキー吉野(左)と画家の吉野祥江

画家吉野祥江(53)が、11月1〜3日に米国サンディエゴで開催の「アート・サンディエゴ」に出展、来年2月11〜18日には東京・玉川高島屋で個展を開催する。2007年(平19)にゴダイゴのミッキー吉野(72)と結婚。コンサートに作品を提供したり、アルバムジャケットも描いている。


◇◇  ◇◇


11月1日から3日間、米国サンディエゴで開催される「アート・サンディエゴ」に作品を出展する。


「ありがたいことに、今はアートショーにたくさん出しています。去年はニューヨークとマイアミで、今年はサンディエゴでとアメリカを中心にやっています。アートショーは、世界中のアーティストとかギャラリーが集まって展示するんですけど、私のスタイルは結構、他と違うんです。オールドスタイルっていうか、油絵の写実的なもので、ちょっとクラシックな感じがすごく新鮮だと言ってもらっています。とはいえ、私は今生きてるんで、現在とクラシックが混ざった感じが、すごく懐かしいというかノスタルジックに感じてもらえてるみたい」


アートの世界も、手で描くデッサンから始まって手法が大きく変化している。


「外国の方は今、ポップアートがすごく多いんです。アクリルとかパソコンで描いて、作品を印刷というか出力して制作する方法が増えています。その中で、筆を使って絵の具を重ねていく私の油絵を、手仕事がすごくいいって言ってくれる人がいます」


デッサンの勉強から始まる絵の世界も、PCやタブレット使って描く人が増えてきた。


「皆さん、ポップアートをお勉強している人が増えました。特に昨年行ったマイアミは、本当にポップアートの街でした。『マイアミウイーク』っていうアートウイークに、世界中のアートが集まったんです。街中がアートだらけなんですけど、そういうところ行けば行くほどポップアートになっちゃうんです。だから、そういうところでは私はわりと目立って、それで賞をいただいたりとかしたんだと思うんですけどね。手仕事をちゃんとしているのが、すごく偉いって言われました」


世界中のアートが集まるアメリカでは、毎年のように作品を展示している。来年2月には東京の玉川高島屋、そしてタイのバンコクで展示会を開く企画も持ち上がっている。3年前に夫のミッキーが70歳、古希を迎える時に配信した「歓びの歌」のジャケットではヤギを描いた。


「ヤギをテーマに選んだというのは、ヤギは紙を食べますよね。世界中の悪いドキュメントとかを全部食べてくれれば平和になるのにという思いを込めています。すごくシンプルに考えれば、ヤギが紙を食べれば紛争がなくなる。今、ガザとウクライナで大変なことになってますけど。黒ヤギも、白ヤギも、茶ヤギも、みんな色が違っても仲良くしているのを描いています。ヤギは平和の象徴なんです」


(続く)


◆吉野祥江(よしの・さちえ)1971年(昭46)1月18日、東京・世田谷区生まれ。07年(平19)に韓国・弘益大絵画科卒業。同年、ミッキー吉野(72)と結婚。15年モダンアート展優秀賞。23年にアート・エキスポ・ニューヨークでベストブースデザイン賞。同年レッド・ドット・マイアミで最優秀国際出展者。

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