ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptはアップデートを施しスーパー耐久第6戦岡山に挑む

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2024年10月26日 12:20  AUTOSPORT web

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2024スーパー耐久第6戦岡山 ORC ROOKIE GR Yaris DAT concept(モリゾウ/豊田大輔/佐々木雅弘/小倉康宏)
 10月26〜27日、岡山県の岡山国際サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第6戦『スーパー耐久レースin岡山』が開催される。今回、ST-Qクラスにモリゾウ/豊田大輔/佐々木雅弘/小倉康宏という4人で臨むORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptは、さまざまなアップデートを施し岡山に臨んでいる。

 今シーズンは第1戦SUGOに登場、第5戦鈴鹿からふたたび登場したORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptだが、第5戦からは新車に改められている。DAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)と呼ばれるATミッションを搭載することは変わらないが、ロールケージ製作にかかる時間の短縮、人の手による溶接の技術力のバラつきを平準化し、一定の品質でユーザーに届けることを目的とし、熟練した溶接技能を解析、数値化しロボットで組み上げられた新技術『SFA工法』を使ったロールケージを使い登場した。

 第5戦鈴鹿では公式予選までトラブルが多く、セットアップの時間を思うようにとれなかったORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptだが、走り出しから佐々木が語っていたのが、SFA工法により大幅に向上した剛性に対するサスペンションのセットアップ。鈴鹿では佐々木のフィードバックをもとにセットアップを進めることができたが、第6戦に向け、鈴鹿以降のテスト期間で調整を行い、岡山国際サーキットにアジャストさせてきた。

 また、今回は新たにモリゾウの想いに共感した社内部署が手を挙げ、生産技術をモータースポーツの車両に織り込めるようトライしているふたつの新技術が盛り込まれた。ひとつめは、リヤウイングに採用された超開繊CFRPだ。

 形状自体はこれまでのORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptと一見して違いはないが、チェッカー柄が目を引く。通常よりも薄いカーボンを織り込むことで、高剛性、軽量化に挑戦しており、現状では150gの軽量化を果たしたという。またチェッカーデザインの意匠もあわせて検討中とのこと。

 そしてサイドミラーは、第5戦鈴鹿では黒いものだったが、今回はシルバーのものが採用された。『サメ肌ミラー』と名付けられたもので、空気抵抗が発生する各パーツのなかでも特にミラー周辺に注目。アルミフィルムの裏から型を押し当てる“インクリメント工法”でサメ肌を作り出して貼りつけているという。

 サイドミラー周辺が空力に重要なのはGT500等でも同様で、ウイング形状などが採用されているが、今回のサメ肌ミラーの採用で、ボルテックスジェネレーターと同様の原理で境界層空気の剥離を抑え、Cd値を0.0005低減、最高速度が1km/hアップした。

 いずれのアップデートも非常に細かいものだが、レーシングカー開発、ひいてはクルマづくりに大切なことは“チリツモ”の開発でもある。今回もST-2クラスのGRヤリス勢とのレースがターゲットになるはずだが、ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptがどんな戦いをみせてくれるか楽しみなところだろう。

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