10月26日、2024年MotoGP第18戦タイGP MotoGPクラスのスプリントがブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは10位、アレックス・リンスは17位となった。
初日に引き続き暑いコンディションで走行2日目は始まる。午前のフリー走行2回目では、序盤からクアルタラロが1分30秒台を出すなどプッシュしていく。リンスはペースこそ安定しているものの、終始1分31秒台で周回していった。
最終的にクアルタラロが1分30秒369の6番手と好調な一方、リンスは1分31秒210で20番手と下位に沈んだ結果となった。
続く予選Q1、ヤマハのふたりはハード/ミディアムでコースイン。1度目のランでクアルタラロが1分29秒659の2番手タイムを記録。リンスは1分30秒402の9番手でセッションを折り返した。
2回目のランでは、クアルタラロが5コーナーでフロントが滑り、あわや転倒しそうになったが、とっさに左肘をアスファルトに着いて見事にセーブ。ガレージに冷や汗をかかせる場面も見られた。
予選Q2突破圏内を維持したいクアルタラロは、一時3番手となるも最後に1分29秒406とQ1トップタイムを記録し、予選Q2へとコマを進めた。リンスは最終アタックで1分29秒835と大きく自己ベストを更新するものの、トップ2まで0.4秒届かず予選17番手となった。
上位12グリッドを決める予選Q2。クアルタラロはハード/ミディアムを選択した。1回目のランから1分29秒台に入れ10番手につける。
2回目のランでは、転倒が相次いだなかで1分29秒408の6番手タイムをマーク。最終盤にも他車の転倒でイエローフラッグが振られる複雑な状況だったが、ポジションを保ち6番グリッドを獲得する。
13周で争うスプリントは、気温30度、路面温度46度のドライコンディション。両者ともタイヤはハード/ミディアムを選択した。
2列目6番グリッドからスタートしたクアルタラロは、オープニングラップの8コーナーでブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)と接触。コーナーの出口でワイドになり、15番手まで大きく後退してしまった。
リンスも序盤にポジションを失い、一時20番手まで下げた。前半には上位ライダーの転倒があったが、両ライダーともまわりよりも速いレースペースを発揮。レースを折り返した6周目の時点で、クアルタラロが11番手まで順位を取り戻し、リンスも中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)をオーバーテイクし18番手に浮上する。
クアルタラロは、残り5周でジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)もオーバテイクし、10番手に浮上。入賞まであと1ポジションだが、9番手とは3秒以上離れていた。
前の集団より約0.7秒速いペースでラストラップまで差を詰めるクアルタラロだったが、10位でチェッカーを受けた。9位のビンダーに0.791秒届かずスプリントでのポイント獲得は叶わなかった。
リンスは、6周に渡ってアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)とバトルを展開。残り3周でオーバーテイクしたものの、バトルは最終周までもつれ込む。最後はアウグスト・フェルナンデスが制し、リンスは17位でスプリントを終えた。
ふたりのライダーで差はあるものの、ともに良いレースペースを見せたヤマハ勢。クアルタラロはスプリントでポイント獲得の可能性を見せており、リンスも17番グリッドと15位以上を狙える位置にいる。
明日の決勝は、21点差で先行するトラックハウス・レーシングとの差を縮めるチャンスでもある。ポイント獲得を目指すふたりがスプリントで見せた以上の走りを見せてくれるのか注目したい。
■ファビオ・クアルタラロ(予選:6番手、スプリント:10位)
「ビンダーにちょっとアグレッシブにオーバーテイクされた1周目を除けば、今日はとても良かった。(1周目では)多くのポジションを失ってしまった。予選はQ1もQ2も良かったし、スプリントでのペースも良かった」
「ただ、さっき言ったようにワイドになって、5つ以上もポジションを失ってしまったのは悔しい。でも、今日のペースには満足しているよ。オーバーテイクした他のライダーたちよりも少し速かったと思うし、楽しめたよ」
■アレックス・リンス(予選:17番手、スプリント:17位)
「タフな1日だった。今日はファビオと同じパッケージにしてみた。ポジティブな部分もあれば、ネガティブな結果もあった。ファビオと自分とではライディングスタイルが違うから、次までにまた違ったことを試そうと思うよ」