激戦WECはいよいよ最終決戦へ。トヨタ、勝利なら王座防衛「完璧な週末にする必要がある」と小林可夢偉

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2024年10月28日 12:20  AUTOSPORT web

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7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing) 2024年WEC第7戦富士
 2024年シーズンのWEC世界耐久選手権が3月にカタールで開幕してから、まもなく8カ月。今季のシリーズチャンピオンが決まる最終ラウンドが11月2日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。

 7号車と8号車の2台の『トヨタGR010ハイブリッド』でシリーズ最高のハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、タイトル防衛という使命を果たすべく、この最終戦バーレーン8時間レースに臨む。

 先月、日本の富士スピードウェイでシーズン第7戦が行われた2024年のWECは、残すところあと1戦に。ドライバー選手権とマニュファクチャラー選手権の両方で王座防衛を狙うTGRは今季すでに2勝を挙げ、後者のランキングで首位のポルシェと10ポイント差の2位につけている。バーレーンで3勝目を挙げることができれば、他チームの結果にかかわらず6シーズン連続でのチャンピオンを確定させることが可能だ。

 一方、ドライバー選手権を見るとランキング3位につける7号車の小林可夢偉とニック・デ・フリースに可能性が残されているものの、チャンピオン獲得は厳しい条件が付く。マイク・コンウェイとともに7号車を駆る両名が優勝したとしても、選手権リーダーであるアンドレ・ロッテラー組6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)がノーポイントに終わらなければ逆転が不可能なためだ。

 そんな今季最終戦バーレーンは10月31日木曜からレースウイークがスタートする。この初日は90分間のプラクティスが2度行われ、翌11月1日金曜に60分間のプラクティスと予選、およびハイパーポールが実施される。決勝レースは2日土曜の14時(日本時間20時)にスタートが切られ、フィニッシュは日没後の22時(日本時間3日4時)となる。

 なお、決勝翌日の3日日曜は恒例のWECルーキーテストが同地で行われる。TGRも7号車のみとなるがこのテストに参加し、今季アコーディスASPチームからLMGT3クラスに参戦しているエステバン・マッソンにトヨタGR010ハイブリッドでの走行を経験させる予定だ。また、TGRがマニュファクチャラーズタイトルを獲得した場合、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ参戦ドライバーである21歳のレシャド・デ・ジェラスも、WECから公式に認定されたルーキーとしてトヨタのハイパーカーをドライブすることとなる。

 バーレーンでは直近7連勝、うち6戦連続でワン・ツー・フィニッシュという好成績を残しているTGR。同陣営のドライバーたちのプレビューコメント全文は以下のとおりだ。

■デ・フリース「巻き返す準備は整っている」。平川亮「絶対に諦めず最後まで戦う」

●小林可夢偉 チーム代表 兼 7号車ドライバー

「エキサイティングで、チャレンジングだったシーズンもいよいよ最終戦を迎えます。今季はチームとして何度も素晴らしい瞬間がありましたが、前戦富士のように大変なことも同じくらいありました」

「今シーズンは終始熾烈な戦いが続いていますが、チーム全員の多くの努力のおかげで、マニュファクチャラーズチャンピオンを自力で獲得できる状況で最終戦を迎えることができます。もちろん、チャンピオンを獲得するには勝利することが必要ですが、その目標達成へ向け、チーム一丸となって全力で挑みます。完璧なレースウイークとする必要がありますが、その挑戦への準備は整っています」

●マイク・コンウェイ 7号車ドライバー

「バーレーンでのレースはいつも楽しめる。走っていて楽しいコースで、素晴らしい思い出もある。2014年に僕がトヨタに加わってからの初勝利がここバーレーンだったし、2度のドライバーズタイトルを決めたのもここだった」

「チームとしてもバーレーンでは好成績を収めてきており、今年もその記録を更新したいと思っているが、今大会もポルシェやフェラーリが強力なライバルとして立ちはだかり、接近戦となるだろう。その激戦を勝ち抜く必要があるけれど、準備は万端だし、週末が楽しみだ」

●ニック・デ・フリース 7号車ドライバー

「今大会は、僕にとってTGRレーシングドライバーとしてのデビューイヤー最終戦となるが、マニュファクチャラーズタイトルがかかった重要なレースであり、バーレーンが待ちきれない」

「このコースは他のシリーズ戦などで走ったのでよく知っている。また、ここバーレーンでのルーキーテストで2019年にTS050ハイブリッドをテストしたのがTGRとの始まりだったし、そういった経験もあり、トヨタのレーシングドライバーとしてバーレーンに戻ってくることができ嬉しく思う。富士は我々にとって厳しいレースとなってしまったが、最終戦で巻き返すべく、準備は整っているよ」

●セバスチャン・ブエミ 8号車ドライバー

「バーレーンに行くのはいつでも楽しみだ。最高のサーキットで、素晴らしい施設と良い天候、そして親戚が何人か住んでいることもあって、まるでホームレースのように感じるんだ。サーキットを走るのも楽しく、特にターン5からの高速セクションは、流れるように速く、その先に続くヘアピンでは追い抜きのチャンスがある」

「バーレーン戦は夜間走行もあり、温度変化が大きく珍しいレースだ。それにより正しいセットアップを見出すのはいつもよりも難しい。だから、練習走行からしっかりと取り組んでいく必要がある」

●ブレンドン・ハートレー 8号車ドライバー

「バーレーンはエキサイティングに繰り広げられてきた今シーズンの最終戦であり、毎年チームの大きな目標のひとつであるマニュファクチャラーズタイトルを争うことになる。歴史的に我々はバーレーンで良い戦いをしているし、サーキットも我々のクルマに合っているように感じるので、来るレースウイークでも良い方向に進んでくれると思う」

「いつもより長い8時間レースということもあり、正しい戦略でクリーンなレースを戦うことがより重要となるだろう。チーム全員が大変な努力で準備を進めてきたことを知っているし、レースウイークが始まるのが待ちきれないね」

●平川亮 8号車ドライバー

「我々のバーレーンでの目標はレースに勝つことです。その結果により世界チャンピオンタイトルが獲得できますが、もちろんそれは簡単なことではありません。前戦富士でライバルが強さを示したことで、今回もまた厳しいレースになることが予想されますが、絶対に諦めず最後まで戦います」

「GR010ハイブリッドのパフォーマンスを最大限に引き出すためにも、レースウイークを通して集中力を保つことが重要です。それができればチャンスはあるので、シーズンを最高のかたちで締めくくり、応援してくださる方々やパートナーの皆さまにも喜んで頂ける結果を持ち帰るべく、全力を尽くします」

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