「6人組アイドル」で“ハブられた女性”の鮮やかな復讐劇。一番人気が抜けたグループの末路は…

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2024年10月28日 16:11  日刊SPA!

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クローズドな環境では、陰湿な裏切りやイジメが起きてしまうことがある。派閥を組んだり仲間はずれにしたりと、人間関係が複雑になった経験は多くの人が体験しているはずだ。今回、話を聞いた清水綾音さん(仮名・27歳)は、仲間からの裏切りで夢を諦めたそうだ。
◆地下アイドルで一番人気になったが……

「大学生時代に地下アイドルをしていて、6人組グループで活動していました。イベントに出演するなど、それなりに人気もあって雑誌などのメディアに取り上げられたこともあった。毎週のように何かしらのイベントを行って、お客さんも順調に増えていたんです。事務所もメジャーデビューを視野に動き出していたし、大学を卒業したら本格的に芸能界の仕事をしていこうと決めていました」

希望に満ち溢れていた綾音さんだが、歯車が狂い始めたのはグループを結成してから2年がたったある日だった。

「グループではセンターを決めていなかったのですが、有料の握手会やツーショット撮影などでは、自分で言うのも何ですが一番人気でした。なので、楽曲でも中心に来ることが多く、ライブでもセンター的な役割をやらせてもらっていました。ただ、そのころから他のメンバーが私に冷たくなったような気がして、不穏な空気を察知していたんです。それまでは、ライブ終わりはみんなで帰っていたのですが、一人で帰ることも多くなり何となくハブられているのかもしれないと感じたんです。また、楽屋だと私がいない時は盛り上がっていたのに、部屋に入るとみんな黙ってスマホを見はじめるとか、女子校のイジメのような状況になったんです」

◆黒幕は「方針が気に食わなかったメンバー」

急に他のメンバーから距離を置かれるようになった綾音さんだが、実は心当たりがあったという。メンバーが無視をし始めたのは、事務所がメジャーデビューに向け、もっとも人気がある綾音さんを主軸としてグループを再編する方針を打ち出していたタイミングの直後。それまで明確なセンターを決めていなかっただけに、他のメンバーから反発の声が出て、綾音さんへのイジメにも繋がったのだという。

「後で知ったのですが、メンバーのBちゃんは、私がセンターでメジャーデビューすることを面白く思っていなかったそうです。Bちゃんは私と同じくらい接触イベントで人気があったので、特に事務所の方針が気に食わなかったとか。ありがちなのですが、私が事務所の社長の愛人だとか、ファンとデキているなんて話を他のメンバーにしていたようで、私を無視するように仕向けていたそうです」

◆スケジュールが共有されず、遅刻したことも

綾音さんが在籍していたグループは、もともと事務所でくすぶっていたタレントやモデルを寄せ集めて作られたもの。それだけに、このグループをキッカケに売れたいというメンバーばかりで、結束力も高く仲が良かったのだとか。ただ、綾音さんだけが推されるようなメジャーデビューの話は、イジメの首謀者であるBさんだけでなく他のメンバーもどこか気に食わない気持ちもあったのだろう。そんな綾音さんを標的としたメンバーの裏切りは、徐々にエスカレートしていったとか。

「途中から、私がいない5人だけのLINEグループを作って、いろいろな情報共有を始めた。わたしへの悪口はもちろん、事務所への不平不満もやりとしていたみたいです。そこで交わされた話題を楽屋で話すので、とうぜん私は知らず置いてけぼりに。しかも、マネージャーからの伝達を、その5人だけのグループで共有して私に教えず、ライブに遅刻してしまったこともありました。

イジメを受けるようになって、なんだかアイドルとして働くことがバカらしくなり、大学の授業を真面目に受けてキチンと一般企業に就職しようと考えを改めたんです。私が就職活動を始め、グループの仕事ができないことが多くなると、それも馬鹿にしていると頭にきたみたいでメンバーのイジメはエスカレートしました」

◆グループを抜ける決心をして、復讐を計画

事務所も、センターにするつもりだった綾音さんが学業優先を宣言し大騒動に。結局、事務所とレーベル間で決定していたメジャーデビューは先送りになってしまったそうだ。

「ファンやメディアに告知していなかったので、私が学業優先すると言ったらメジャーデビューの話はすぐに無くなった。それが、メンバーは気に食わなく直接嫌味を言われることもありました。また、ライブやイベントに出る際は衣装を隠されたり、ステージ上でも立ち位置を変えられたりする嫌がらせばかりになった。さすがにやっていられなくなり、就職もすでに決まっていたのでグループを抜ける決心をしました。ただ、やられっぱなしも嫌なので、復讐することに決めたんです」

◆夢を諦めさせてくれて「感謝している」

ここまで、メンバーの妬みで嫌がらせを受け続けた綾音さん。事務所を辞めると決心した後は、とにかく証拠集めを行ったそうだ。

「早めに楽屋に入ってスマホを録音状態にし、私はわざと席を外して隠し録りしたんです。そうしたら、私の悪口だけでなく、事務所への不平不満もボロボロ出てきた。何度か同じように音声を隠し録りして証拠を集めて、マネージャーや社長にイジメの証拠をつきつけたんです。それと同時に事務所を辞めて就職することも告げて会社を去りました」

最後に大逆転で、イジメをしていたメンバーに復讐をした綾音さん。その後、メンバーたちは当然のように社長やマネージャーから事情聴取され……。

「イジメを首謀していたBちゃんは、かなり社長から詰められたそうです。メジャーデビューの準備を進めていたわけで、その計画が無くなったことで損害賠償もあり得ると脅されたようです。グループは、私がいなくなってからも活動はしていたのですが、最終的には空中分解になってしまいました」

現在、都内の化粧品メーカーで順調にキャリアを重ねている綾音さんだが、アイドルとしてメジャーデビューしなくて良かったと話してくれた。

「こういうイジメは、特にアイドル業界では多いと聞きました。私は、裏で人を蹴落とすようなイジメを無視できる性格ではなかった。正直、いまでは芸能人になる夢を諦めさせてくれたBちゃんに感謝しています」

どこの世界でも、足の引っ張り合いやイジメは横行している。みなさんが応援しているアイドルや芸能人も、実は綾音さんが受けたようなひどい仕打ちを乗り越えて、いまの座を手に入れているのかもしれない。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

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