「息子をカッコよくしたい！」男子の“美容室デビュー”はいつ？ 息子と母の温度差に美容師も困惑

　最近は美意識の高い男性が増えた影響もあるのか、「うちの息子をカッコよくするにはどうしたら」、「弟のビジュアルをなんとかしたい」と、容姿に無頓着な本人よりも、母親や姉など周囲が気を揉むこともよくある。実際、母親などが細かな予約をして息子を美容院に差し向ける例もあるというが…。男子の美容院デビューについて、ある高校生のイメチェンを事例に、メンズ専門の人気美容師・カンタさんに、注意点を聞いた。

【ビフォーアフター】「これはオカン喜ぶやつ！」まるで別人！？ 素朴な高校生が脅威のイケメン化

■“美容室デビュー”の高校生が激変、素朴男子がガラリとイメチェン

　カンタさん（@ka.n_wl）は、3000人の顧客を抱えるフリーランスの人気美容師。道行く人に声をかけてカッコよくイメチェンさせる「渋谷でイメチェンさせる人」として、YouTubeやTikTokなどで動画を配信している。

　カンタさんが練馬で出会った高校1年生も、「変わりたい」という気持ちがあったという高校生1年生。いつもは1000円カットで切ってもらっていたが、「一度ちゃんとしたところで切ってもらいたい」とのことで、カンタさんのカットを受け入れた。この場合は、本人に意志があったパターンだ。

　彼は美容室デビューへの期待も大きく、カンタさんから希望と聞かれて「おまかせで大丈夫です」と控えめながらも目を輝かせて返答。そんな高校生を「爽やかなイケメンにしたい」とカンタさんは施術をスタート。

　「サイドのボリュームがすごかったので、短めにし、目がキレイだったので前髪を上げたスタイルに。これまで経験がない人でも簡単にセットできるスタイルも意識しました」（カンタさん）

　ボサボサだった眉も初カットを体験。眉毛を整えるだけで印象はガラリと変わり、センスの良さを感じさせる髪型と相まって、真面目で地味目、幼顔の高校生風から、一気に垢抜けた印象に。本人も、「前とすごい違って、カッコイイ感じになって良かったです」とニッコリ。視聴者からも、「男らしく精悍な眼差しになってる」「おかん喜ぶやろうなあ」などのコメントが寄せられていた。

　こうして美容室デビューを飾った少年だったが、カンタさんによると、「男性の場合、大学に入ったタイミングで美容院に通うようになる人が多い印象」とのこと。さらに近年は、外見に無頓着な息子を心配するお母さんや、弟を案じるお姉さんから予約の依頼が入ることも多いという。しかし、当の本人と温度差がある場合も多々あるそうで…。

　「予約をいただいた際、お母さんから熱心にお子さんの状態の悩みを相談をされて、『こんなふうにしてほしい、カッコよくしてほしい』というリクエストをいただくことが増えています。でも実際に息子さんに会ってみたら、『興味がない』とか、お母さんとは違うリクエストをされることも多くて。本人の満足に合わせるのか、予約をしてくれたお母さんに合わせるのか、判断が難しい時があります」（カンタさん）

　「お母さんの心配はよくわかる」とカンタさん。しかし、いくら周りが良いと思っても、本人が納得しなければ長続きはしない。イメチェンを成功させるためには、「ご家族には『おまかせでカッコよくしてもらってきなさい』と言ってもらえたほうがありがたい」とアドバイスする。

　「髪質や長さによってできない髪型もありますから。本人に希望の髪型があったり、こういうのが好きという嗜好があれば、それを聞いて合わせます。ない場合も、顔立ちを見て、また会話を通じて、本人の個性を最大限引き出すようさせていただきますので、任せていただけたらと思います」（カンタさん）

　ところで、男子にとって美容院デビューはいつがおススメなのか。

　「美容室だと理容室よりは料金が高くなってしまいますが、できれば高校生くらいから来てほしいと思います。まだ校則が厳しい学校もあるので、できる髪型が限られる場合もありますが、カットよりもセットや髪のケアの勉強ができるので。高校生くらいから知識やテクニックを覚えておくといいかなと思います」(カンタさん)

（文：河上いつ子）