【F1第20戦無線レビュー(1)】母国レースのペレス、痛恨の停止ミスで審議「とんでもない。素晴しいスタートだった」

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2024年10月30日 18:20  AUTOSPORT web

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2024年F1第20戦メキシコシティGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
 2024年F1第20戦メキシコシティGP。予選でのクラッシュによりダメージを負ったマシンを修復したクルーに感謝を述べた角田裕毅だったが、スタート直後の接触により角田は早々にレースを終えてしまう。またホームレースを迎えたセルジオ・ペレスはスタート時の違反によりペナルティを受け、僚友マックス・フェルスタッペンもバトル中の違反でペナルティを科されるなど、序盤から各所で話題の多いレースとなった。メキシコシティGP前半を無線とともに振り返る。

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 決勝スタート直前。前日の予選Q2でのクラッシュでマシンを壊した角田裕毅(RB)が、修理に奮闘したスタッフに謝意を伝えた。

角田:みんな、修理を間に合わせてくれて本当にありがとう。素晴らしい仕事だ。

 しかしスタート直後のターン1でアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)と接触し、2台リタイアとなった。

アルボン:ああ……
ジェームズ・アーウィン:どこでもいいから、止まるんだ。

エルネスト・デジデリオ:大丈夫か?
角田:うん。……申し訳ない。

 一方、18番グリッドのセルジオ・ペレス(レッドブル)は、スタートで5つ順位を上げることに成功した。しかし車載映像を見ると、明らかにグリッドで前に出過ぎている。

4周目
ヒュー・バード:情報アップデートだ。スタートが審議されている。
ペレス:なぜ?
バード:スタート違反だ。
ペレス:とんでもない。素晴しいスタートだったよ。

 その後ペレスには、5秒ペナルティが出た。

バード:前に出過ぎていたんだ。
ペレス:そんなことなかったけど。

 角田とアルボンの事故処理の間、セーフティカー走行をしていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が、ドリンクの不具合を訴えた。

5周目
ルクレール:ドリンクが漏れている。ジグザグ走行すると、飲みたくない時にも出てくるんだ。
ブライアン・ボッツィ:了解した。

 自然に直ったのか、ルクレールが我慢し続けたのかは不明だが、その後の無線でこの話題は出なかった。

 16番スタートのフランコ・コラピント(ウイリアムズ)はふたつ順位を挙げたものの、後方グリッドのペレスには先行されていた。

5周目
ガエタン・イエゴ:ペレスのペースについて行こう。あのペースなら十分ついて行けるから。ちなみにペレスはスタート違反で、ペナルティを受ける可能性がある。
コラピント:どうりで、すごいスタートだと思ったよ。

 9周目、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)が、激しい2番手争いを繰り広げる。その間隙を突いて、ルクレールが2台を抜き去っていった。

 フェルスタッペンに先行されたノリスが、感情を露わに喚き立てた。

ノリス:僕はコーナーでずっと前にいた。クラッシュを避けようとしただけなのに。前のレースと同じじゃないか。あいつ、危険すぎる!
ウィル・ジョゼフ:わかってる。申し立てているところだ。
ノリス:あのまま行っていたら、壁にぶつかって終わってたよ。

 一方フェルスタッペンは回生エネルギーが使えず、ストレートでの伸びのなさに不満を漏らした。

フェルスタッペン:空のバッテリーで、僕に何をしろって言うんだ!

 その後フェルスタッペンには、まず10秒ペナルティが下された。

14周目
ジャンピエロ・ランビアーゼ:ターン4でノリスを押し出したとして、10秒ペナルティを受けた。冷静に行こう。
フェルスタッペン:10秒かよ。そりゃ、すごいね。

 14周目、首位のカルロス・サインツ(フェラーリ)がこんなことを言ってきた。

サインツ:おいおい、シャルルがxxxしてくるんだけど。

 この時点で2番手ルクレールはペースを上げ、サインツのほぼ1秒後方まで迫っていた。「あまりプッシュしないでくれ」と言いたかったのだろう。その後2台の間隔は、2秒以上に広がっていった。ただしルクレール陣営は、まだまだ優勝は諦めていないようだ。

ブライアン・ボッツィ(→ルクレール):いいペースだ。クリーンに行くんだ。

 クリーンに行く限り、サインツとバトルしていいという指示だ。

 後方では、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が8番手と、今回も好調を維持していた。担当エンジニアのギャリー・ギャノンがブレーキの感触について訊いたのとほぼ同時に、答えを返していた。

ギャノン:フロントブレーキはどうだ?
ヒュルケンベルグ:あまりハッピーじゃない。僕ら、いつも同じタイミングで話すよね。

 以心伝心の名コンビということか。

 15周目、13番手を走るフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に指示が出た。

クリス・クローニン:フェルナンド、リタイアしないといけない。ゆっくり戻ってくれ。
アロンソ:コクピットのなかも、すごい煙だ。

 記念すべきアロンソの400戦目は、メカトラブルによるリタイアで終わった。
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F1第20戦無線レビュー(2)に続く

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