女優児島美ゆき(72)が、内田康夫生誕90周年公演の舞台「軽井沢殺人事件〜浅見光彦VS信濃のコロンボ」(11月14〜18日、東京・渋谷伝承ホール)に出演する。
インチキ商法で世間を騒がせた商事会社の幹部社員が、謎の言葉と古い写真を残して絶命した。ルポライター浅見光彦(青木玄徳=37)は事件の鍵を握る人物を追って軽井沢へ向かう。同じ頃、信濃のコロンボこと竹村岩男警部(伊東孝明=53)は軽井沢大橋で発見された変死体の捜査で軽井沢にいた。名探偵浅見光彦と信濃のコロンボ竹村岩男が難事件に挑む。児島は軽井沢の役所の職員を演じる。
児島は「軽井沢の役場の職員さん役です。なんと、公務員です(笑い)。私のとって舞台っていうのは、演じるというよりも、お客さんの息遣いを感じるもの。ドラマとか映画とか、映像のお芝居も大好き。だけど、舞台の場合は演じるっていうよりも、ライブ感が命。芝居でも、歌でも、お客さんからの反応が大好きなの。まぁ、時にはうるさかったりするんだけどね」と笑う。
13歳から東映児童研修場に通い、1967年(昭42)にNET(現テレビ朝日)のドラマ「特別機動捜査隊」で女優デビュー。70年に映画や東京12チャンネル(現テレビ東京)の連続ドラマとなった「ハレンチ学園」のヒロイン十兵衛を演じて大ブレークした。「でも、その前に子役で結成された合唱団で、歌った曲がヒットしてるの。『仮面の忍者赤影』や『ひょっこりひょうたん島』とかを歌っていました。だから、今でも歌は大好きです」。
「ハレンチ学園」は「週刊少年ジャンプ」に連載された、永井豪氏(79)の漫画が原作。セクハラ、いじめ、全裸の変態教師の中で、スカートまくりでパンチラどころか全開披露。PTAを中心に社会問題になったが、大ヒットした。「今じゃ、もう絶対にできないドラマですよね。というか映画、ドラマの前にあ、漫画の設定自体がありえない(笑い)。だから、今の時代はつまらないのかな。私自身は、別に今もああいうものをやってもいいんですけどね」と振り返っている。
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原作の永井豪氏は「ハレンチ学園」から哲学的な「デビルマン」まで幅広い作風を誇る。「本当に天才ですよね。『ハレンチ学園』も『デビルマン』も同じ人が描いてるんですから。頭の中身どうなってんのかなと、興味があります。『ハレンチ学園』も単なるエッチなギャグ漫画じゃなくて、いろいろ考えさせられますよね。まあね、そういう天才の作品に出られたっていうのは、私にとって宝ですよね。ありがとうございますと、言いたいです」と話している。
2014年(平26)に83歳で亡くなった、俳優高倉健さんと交際していた。「亡くなって10年で、思い出がピンク色になって来たという感じですね。重い、真っ黒なものが。やっぱりいろんな澱(おり)が溶けて、流されるような感じですね。うん、明るい人です。ニコッと笑ってね。あまり笑顔は似合わないんだけどもね。映画でも、1本のうちに1カットぐらいあるかないかなんですけどね」と振り返る。
高倉さんとの縁は、21年(令3)に88歳で亡くなった田中邦衛さんがつないだ。「フジテレビの『北の国から』に私が出ているのを見て、健さんがいい女優だとほめてくれたと。それで邦衛さんから電話かかって来て『ご飯を食べよう』ってなったんです。その時、初めて電話で話しました。『北の国から』は、倉本聰先生の脚本の作品に出られたこともうれしかった。倉本先生とは何年か前に電話で話しました。『東京には、疲れてなかな行かれない』とおっしゃってました。まぁ、いろいろな思い出がある。10年たって、やっと思い出を振り返ることができます」と言う。
うれしいこと、悲しいこと全てを抱えて、舞台に立って演じ、歌い続けている。【小谷野俊哉】
◆児島美ゆき(こじま・みゆき)1952年(昭27)3月23日、東京都小金井市生まれ。13歳から東映児童研修所に通い始め、14歳でコーラスグループ「ヤング・フレッシュ」のメンバーに。67年NET「特別機動捜査隊」。70年、映画、東京12チャンネル「ハレンチ学園」。71〜76年日本テレビ「TVジョッキー」アシスタント。81〜84年フジテレビ「北の国から」シリーズ。19年、テレビ朝日「やすらぎの刻〜道」。154センチ。43キロ。血液型O。
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