今週の日曜日は、東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(GII・芝2500m)が行われます。
過去10年のアルゼンチン共和国杯を見ると、年齢が若ければ若いほど好成績、高期待値となっています。過去10年のアルゼンチン共和国杯では3歳馬が5頭出走し2勝3着2回。複勝率は驚異の80%複勝回収率も182%と優秀な数値になっています。今年のアルゼンチン共和国杯に3歳馬の出走はありませんが、このデータは来年以降のためにも覚えておきたいところです。
3歳馬の次に好成績を挙げているのが4歳馬で33頭が出走し6勝2着3回3着3回。複勝率36.4%、複勝回収率88%とまずまずの成績です。そのほかでは5歳馬が52頭の出走で1勝2着4回3着5回。複勝率19.2%、複勝回収率51%となっています。
6歳以上の馬は延べ71頭が出走し1勝2着3回3着1回。複勝率7%、複勝回収率17%と低調な成績になっています。3歳から5歳の馬に比べ、6歳以上のベテランが苦戦しているのは明らかです。
昨年のアルゼンチン共和国杯でも6歳馬で3番人気だったディアスティマが13着と惨敗。17年には長距離重賞で強さを見せていたアルバートが6歳で出走。2番人気の支持を集めていましたが、4着と馬券に絡めていません。実績のある馬でさえも年齢の壁を越えることはできていません。人気馬でも高齢だった場合は疑ってみるのも的中を得るためには必要は策と言えそうです。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
7歳以上で前走上がり2位以下
[0-0-0-31]複勝率0%
該当馬:アドマイヤビルゴ、クロミナンス、ハヤヤッコ、フォワードアゲン、マイネルウィルトス
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるクロミナンスが該当しました。
6歳以上の馬が苦戦を強いられていることは先に書いた通りですが、その中でも7歳以上の馬はさらに悲惨な成績となっています。過去10年のアルゼンチン共和国杯では7歳以上の馬は延べ33頭が出走し2着1回と目も当てられない結果に終わっています。
7歳以上で馬券に絡んだのは昨年のマイネルウィルトス。本馬は前走で上がり最速を記録しており、年齢的な衰えを感じさせない末脚の切れを見せていました。アルゼンチン共和国杯の舞台は直線の長い東京になりますので、末脚の威力を存分に発揮できる条件と言えます。7歳以上でも東京の長い直線を味方にできる馬であれば、年齢の壁を超えることができるのでしょう。
該当馬に挙げたクロミナンスは7歳馬。前走上がりは4位タイとなっていますので、過去の傾向からすれば好走を期待するのは酷な印象です。
また、前走の目黒記念から斤量も重くなり、今回は58キロでの出走となります。今年の出走馬で58キロ以上を背負うのはクロミナンスのほかに4頭いますが、この内の3頭が重賞勝ち馬。残る1頭はオープン特別で3勝を挙げている馬です。対して、クロミナンスは重賞での連対実績はありますが、オープン特別以上での勝ち鞍はありません。他馬と実績を比較すると斤量は見込まれた印象もあります。
過去10年のアルゼンチン共和国杯での傾向や今回背負うことになる斤量面を考えると、人気でも信頼は置きづらい印象です。想定オッズでは1番人気が予想されていますし、配当妙味を考えると本馬の評価を下げて考える方がより高い期待値を拾えるかもしれません。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。