apr LC500h GTの初ポールポジションに繋がった“みっつの理由”/第8戦GT300予選

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2024年11月02日 22:10  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第8戦もてぎ apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)
 11月2日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでヘビーウエットのなか公式練習/公式予選が行われたスーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300KM RACE』。GT300クラスでは、小高一斗/中村仁組apr LC500h GTがLC500h投入後初めてのポールポジションを獲得したが、aprの金曽裕人監督によれば、その初ポールに繋がったのは“みっつの理由”があるという。

 2023年からGT300クラスに投入された唯一のハイブリッド車両であるapr LC500h GTは、これまで多くのレースでスピードはみせてきたものの、なかなか目立つ結果には繋がっていなかった。車両特性上はホイールベースが長く、小回りするコーナーは苦手。どちらかといえば中高速コーナーが続くようなコースを得意としていた。鈴鹿やオートポリスのようなコースが得意で、もてぎは比較的苦手だった。

 そんなコースでの初ポールポジション獲得は、フルウエットだったことによる“みっつの理由”がある。それは金曽監督いわく「ハイブリッドが進化したこと、ブリヂストンがすごかったこと、(小高)一斗が神がかっていたこと」だ。

 プリウスGT時代からハイブリッドを使用しつづけるaprだが、LC500hになりハイブリッドも改良を遂げており、ストップ・アンド・ゴーのレイアウトをもつもてぎではひとつの武器になる。LC500hのシャシーとしての特性ではもてぎは苦手だが、「ハイブリッドとしては嬉しいコース」と金曽監督は言う。

 さらに、このもてぎはトラクションが重要で、GT3でもミッドシップやリヤエンジン車が得意。「本来、ミッドシップのハイブリッドがいちばん速い」と金曽監督が言うとおり、以前、ミッドシップレイアウト時代の31号車プリウスはもてぎが大得意で、何度もトップを争ってきた。ただFRのLC500hでもハイブリッドも進化を遂げたことで「しっかりエネルギーをとれるようになったことが大きい」という。

 ふたつめの「ブリヂストンがすごかった」ことについては、「ブリヂストンが用意してくれた『エクストラソフト』というタイヤをしっかりウチが持っていたこと」が要因。2024年のスーパーGTは第6戦SUGOから2戦連続で雨のレースが続いていたが、この第6戦の際に、ブリヂストンから興行をしっかりと考え、ヘビーウエットでもしっかり走れるタイヤを用意しようと提案があり、それを受けて作られたのがこのエクストラソフトだ。

 今回のもてぎが初めての使用になったが、金曽監督はGTエントラント協会の代表も務めており、エクストラソフトが用意されたことをうけ、興行面を考えても使うべきと、1セットだけタイヤ選択のなかに盛り込んだ。「ブリヂストンさんとしても、いろんなことを考えて作ってくれたもので、ウォームアップもグリップも最高。あの雨の量でもしっかり走れるもの」だが、この日の雨量を見て、予選に使うことが検討された。小高が予選後の記者会見で「雨でも予選があると仮定し、公式練習では使うタイヤを残しておこうと決めていた」とされているのがエクストラソフトのことだ。

 チームは公式練習でエクストラソフトのチェックのみを行い、Q2に温存。20分間走行ができるQ1は通常のソフトタイヤを使い、中村がじっくりと温めアタック。Q2の小高に繋げた。ちなみにQ1で使用されたタイヤも、同じブリヂストンでも各チームで履いているタイヤに“物性違い”があったという。

 こうして進んだQ2で小高はきっちりとエクストラソフトのパフォーマンスを活かしきった。「一斗はいま神がかってる。まとめ方も上手だし、さすがだと思う」と金曽監督は褒めちぎった。「いまの一斗はスーパー耐久を見ていても分かるけど、メチャクチャ脂がのってますからね。さっさとGT500に行ってくれって感じです(笑)」

“みっつの理由”が重なって生まれたapr LC500h GTの初ポールとなった。

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