11月2日、2024年F1第21戦サンパウロGP(ブラジルGP)のスプリントが行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)がトップチェッカーを受けた。2位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。角田裕毅(RB)は15位となった。
今季6戦が行われるタイヤ交換義務のないスプリント。5戦目となる今回は24周で争われた。タイヤ選択は全車がイエローのミディアム(C4)を装着している。
なお、アストンマーティン勢と周冠宇(キック・ザウバー)の3台は、パルクフェルメ管理下でサスペンションのセットアップ変更を実施したためピットレーンスタートとなった。
現地時間11時(日本時間23時)開始のフォーメーションラップを経て、気温28度、路面温度49度のなか、今季5度目のスプリントのスタートは切られた。
サイド・バイ・サイドが繰り広げられるも比較的クリーンなスタートとなり、上位8台の順位変動はないままオープニングラップを終えた。なお、12番グリッドスタートのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)はスタートでポジションを3つ上げて9番手、チームメイトのオリバー・ベアマン(ハース)の前の浮上した。
3周目には4番手のフェルスタッペンがシャルル・ルクレール(フェラーリ)に仕掛ける。しかし、ターン1、ターン4でルクレールがフェルスタッペンの行く手を阻む。
そんななか、5周目には2番手ノリスが首位ピアストリとのギャップを1秒以内に縮め、DRSを使いプレッシャーを与える。ノリスが「彼との距離近くない?」と、ポジションの入れ替えを暗に求めると、ノリス担当エンジニアのウィル・ジョセフは「前だけじゃなくて後ろも見るんだ」と無線を飛ばす。
マクラーレンはポジションの入れ替えを指示せず、その間にピアストリもプッシュをするが、ノリスはピアストリの1秒以内をキープする。さらに、3番手ルクレール、4番手フェルスタッペンもDRSを使える状況に。
これでノリスはルクレールとフェルスタッペンのプレッシャーを受ける状況となり、今度はマクラーレンからピアストリに対し、「ルクレールがすぐ後ろに来ているからランドにDRSを使わせてやってほしい」と無線が飛んだ。
少し間を置いてから一時は0.9〜1.2秒で推移していたピアストリとノリスのギャップは13周目には0.5秒前後に縮まった。さらに、ルクレールにミスがあり、13周目にはルクレールがDRSを失う。
これでフェルスタッペンがルクレールに対し大きなチャンスを得るが、DRSというアドバンテージがあってもなかなかルクレールを攻略できない。その間に、ルクレールもプッシュし再びノリスのDRSを得ようと試みるが、わずかに届かない。
レースも折り返しを越えた16周目にはノリスが「もうオーバーテイクするよ?!」と無線を飛ばす。ただ、17周目にはピアストリがこの時点でのファステストをマークすると、2台のギャップは1秒を超える。
18周目のターン4でフェルスタッペンがルクレールをかわし3番手に浮上。ポジションを入れ替えた直後にルクレールを1秒以上引き離したフェルスタッペンは、ノリスの2秒後方からギャップを縮めにかかる。
一方、残り5周となった20周目にヒュルケンベルグのマシン後方から白煙。ヒュルケンベルグはピットに戻ることが叶わず、ターン10のコースサイドにマシンを止めた。
これでセクター2にイエローが振られるなか、マクラーレンはポジション入れ替えを指示。22周目のターン4でノリスがトップ、ピアストリが2番手とポジションを入れ替えると、23周目にはバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入される。
24周目にVSC解除となるが、残り1周もない状況ではフェルスタッペンも成す術がなかった。そのままノリスがトップチェッカーを受け、今季初めてフェルスタッペン以外のドライバーがスプリント勝者となった。2位にピアストリが続きマクラーレンがワンツー。そして3位にフェルスタッペンが続いた。
スプリントでは上位8台までがポイント獲得となるなか、4位ルクレール、5位カルロス・サインツ(フェラーリ)、6位ジョージ・ラッセル(メルセデス)、7位ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、8位セルジオ・ペレス(レッドブル)が続いた。
リアム・ローソン(RB)は9位、角田は15位でRBはポイントには届かなかった。なお、暫定3位のフェルスタッペンについては、VSC中の手順違反で審議対象となっている。
※その後、フェルスタッペンに対し、VSC中の最低タイムに0.63秒足らなかったとして5秒のタイムペナルティが下り、ルクレールが3位、フェルスタッペンが4位へと変わっている。
続いて日本時間3日3時からは、4日に行われる71周の決勝レースのスターティンググリッドを決する公式予選が行われる。