旭日大綬章を受章した元連合会長の古賀伸明氏(72)は、旧民主党政権を黒子役として支えてきた。現在、その連合が支援する立憲民主、国民民主両党に関し、「分かれていること自体ナンセンスだ。一つの固まりになるべきだ」と主張。立民の野田佳彦代表には、国民の玉木雄一郎代表への歩み寄りを求めた。
2009〜15年の在任期間は、旧民主政権の3年3カ月と重なる。政権交代は連合としても悲願だったが、当時の国政運営を「皆で選んだ首相が決めたことに反対して足を引っ張り合い、稚拙だった」と回顧する。
10月の衆院選は、旧民主を源流とする立民、国民が躍進。古賀氏は、野田氏が共産党と連携せず中道路線を訴えたことで、反自民党票の受け皿になったと指摘。「これまでは共産に接近しすぎだった。旧民主は、共産候補が立つ中で勝っていたし、今回も勝った。『野田効果』だ」と高く評価した。
ただ、特別国会での首相指名選挙を巡り、他の野党に協力を求めた野田氏の手法には、「いきなり党首に呼び掛けても応じてもらえるわけがない」と苦言。立民自体の陣容には「裏で他党との関係を詰める役回りの人材が不足している」と課題を指摘する。
玉木氏に対しても、岸田政権下の予算採決で賛成に回ったことを挙げ、「政権を全肯定する行為だ。あり得ない」と手厳しい。
その上で、両党の合流を唱える。「玉木氏は原発、安全保障、憲法といった基本政策にこだわっている。立民が歩み寄るべきだ。一緒にやるには大きな方が譲るのが組織の鉄則だ」。
合流の成否にかかわらず、「少なくとも来夏の参院選の1人区では統一候補を出すべきだ」と強調。野田氏にその旗振り役を期待した。