女性ドライバープロジェクトの『アイアン・デイムス』は11月3日、2025年にセリア・マルタンが同チームの主力ドライバー陣に昇格、FIAのドライバー・レーティングでブロンズからシルバーに昇格するサラ・ボビーの代わりを務めると発表した。
これにより、この女性チームのラインアップはシャッフルされることとなり、また来季はWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の双方でポルシェのマシンに切り替わることが予想されている。
ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの併催レースであるミシュラン ル・マン・カップでアイアン・デイムスの活動に参加してきたフランス籍のマルタンは、プロ/アマカテゴリーにおいてドライバー編成に含めることが義務付けられるブロンズドライバーの役割を担う。これまで同チームでこの役を務めてきたボビーは、ゴールド・レーティングのミシェル・ガッティンとともに、新しいシルバードライバーとしてラインアップに残る予定だ。
同じくシルバー・レーティングで現在WEC等に参戦しているラヘル・フレイも、プロジェクトマネジャーとしての役割に加えて、特定のイベントにエントリーする予定だ。
ボビーのレーティングについては、2023年と2024年の暫定リストで当初シルバーに昇格した後、彼女をブロンズ評価に留めるためのアピールが複数年にわたって成功、2024年まではブロンズを維持してきた。2025年に関しては、アピールしたかどうかは不明だ。
アイアン・デイムスの声明には、次のように記されている。
「FIAが最近発表した今後の耐久シーズン向けのドライバー・カテゴライゼーションは、サラ・ボビーがシルバー・ステータスを獲得したことをはじめ、アイアン・デイムスプロジェクトにとってエキサイティングなニュースをもたらした」
「この進歩は、2024年シーズンを通してサラが目覚ましい成長と成果を挙げたことを浮き彫りにしており、トラック内外で得た経験と彼女が注いだ努力を反映している」
「サラは、象徴的なアイアン・デイムスのカラーリングで、耐久レースの最高レベルにおける貢献を今後も続けることになる」
「サラのシルバー・レーティングは、個人的な功績であるだけでなく、プロジェクト全体にとっての新たなマイルストーンだ」
「このプログラムでの彼女の旅は、才能ある女性ドライバーが潜在能力を最大限に発揮し、夢のキャリアを追求するための支援環境としての有効性を強調するものだ。
声明はさらに、次のように続けている。
「アイアン・デイムスが進化を続ける中、この動きはアイアン・デイムス・ファミリー内の他の有望なドライバーに道を開くものであり、フランス人ドライバーのセリア・マルタンがチームのブロンズドライバーの地位に就くことになる」
「セリアは今年のミシュラン・ル・マン・カップで大きな期待を示しており、ミシェル・ガッティン、ラヘル・フレイ、サラ・ボヴビーとともに、来シーズンのアイアン・デイムスの成功に貢献するだろう」
マルタンはガッティン、シリーズからノミネートされたジリアン・ヘンリオンとともに、バーレーンで11月3日に行われたシーズン後のルーキーテストにおいて、マンタイ・ピュアレクシングの92号車ポルシェ911 GT3 Rをテストドライブした。
Sportscar365の理解によれば、アイアン・デイムスは2025年のWECに向けてマンタイが運営するポルシェのマシンに乗り換える契約を交わし、同時にIMSAミシュラン・エンデュランス・カップにもプロトン・コンペティションが運営するポルシェで参戦するようだ。
2024年、アイアン・デイムスはWECにランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo2で、ELMSにポルシェ911 GT3 Rで出場していたが、WEC最終戦を前にガッティンは、ランボルギーニの信頼性のなさに不満を漏らしていた。