LEON AMGがランキング首位堅守の2位。タイヤ無交換で好ペースのカギと「欲をかかない」戦い方【第8戦GT300あと読み】

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2024年11月05日 18:20  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第8戦もてぎ LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)
 11月3日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された2024スーパーGT第8戦のGT300クラス決勝で、蒲生尚弥/篠原拓朗組の65号車LEON PYRAMID AMGは2位フィニッシュを飾りランキング首位の座を守った。レース後、両ドライバーに自身のスティントの状況と最終戦に向けての展望を聞いた。

 決勝レースでは4番グリッドから蒲生が第1スティントを担当したLEON PYRAMID AMGは、まずスタート直後の3コーナーで18号車UPGARAGE NSX GT3をかわして3番手に浮上すると、後続がバトルを繰り広げたこともあり、ほぼ単独走行で周回を重ねた。

「もちろん1周目でオーバーテイクできるのであれば、やはりドライバーとしてはいかないといけません。本当にうまく追い抜くことができて良かったです。その後はトップと2番手のペースが少し速かったので、差が詰まることはなかったですけど、逆に自分のペースで安定して走ることができました」と蒲生。

 その安定したペースがLEON PYRAMID AMGをさらに味方し、22周目にピットインするとタイヤ無交換でピットストップ時間を短縮。第2スティントを務める篠原が実質2番手でレースに復帰すると、31号車apr LC500h GT、そしてランキングを争う88号車VENTENY Lamborghini GT3とトップ争いを繰り広げることになる。

 そのバトルについて篠原は「(88号車を)防ぐことができれば良かったのですけど、あまりにもペースが違いすぎました」と振り返りつつ、選手権を見据えた戦いに徹したことを明かす。

「僕たちはタイヤ無交換なので、そこで無理にバトルやブロックをしてタイヤを壊してしまっては意味がありません。やはりレースはチェッカーフラッグを受けないと意味がないので、僕たちが持っているなかでベストのレースをすることを目標にして、無理に抵抗して自分のクルマを痛めつけてしまうのはやめようと思いました」

 その言葉どおり、篠原は34周目の90度コーナーで圧倒的ペースのVENTENY Lamborghini GT3の先行を許すが、おなじくブリヂストンでタイヤ無交換を採ったapr LC500h GTの前に出ることに成功。そのままペースを落とすことなく2位でフィニッシュした。

 また、LEON PYRAMID AMGのレースで輝いたのはタイヤ無交換ながら終盤までペースを落とさなかったことだろう。今回のレースではapr LC500h GT、muta Racing GR86 GT、Green Brave GR Supra GTといった他のGT300ブリヂストン勢も無交換作戦を行ったが、いずれもレース後半にかけてペースを落としてしまっていた。

 そのことについて篠原は「無交換でしたけど、すごく楽だったということは一切ありません。ピックアップなどもありましたけど、本当に最後までしっかりとタイヤを使い切ることができました」と語り、事前の打ち合わせがカギになったと続ける。

「土曜日が雨だったのでドライコンディションでタイヤがどれだけ摩耗するかが正直分かりませんでした。そのあたりはブリヂストンさんにウォームアップ走行で見てもらい、決勝でどのようにケアをしていくかをチーム全体で入念に話し合いました。その部分が大きなポイントになったのだと思います」

 篠原は「第1スティントで蒲生さんにタイヤを守ってもらっていなかったら厳しかったです」と続ける一方で、その蒲生は「多少はタイヤのことは気にしていましたけど、そこまでではないですね。今回の結果は本当に篠原選手が頑張ってくれたことが大きいです」と応えた。

 これでLEON PYRAMID AMGは、ランキング2位のVENTENY Lamborghini GT3に対して11ポイントリードで最終戦を迎えることになる。チームとともに2018年以来の王者奪還を狙う蒲生は「ランキングトップで最終戦を迎えられることは一年間頑張った証でもあるので、その部分は胸を張り、レースでは今までどおり自分たちの戦いができればいいなと思うので頑張ります」と語る一方、ライバルの速さを気にかける。

「鈴鹿とメルセデスAMG GT3の相性は悪くはないですけど、明らかにライバル勢のほうがめちゃくちゃ速いとも思っています。でも、そんななかでも決勝はしっかりとレースを走り切り、ポイントを獲得して終わることができれば最高です」

 そして、自身初チャンピオンがかかる篠原は「もちろんチャンピオンは欲しいですけど、欲をかいても良いことはないと思っています。僕たちの今の好調さは、欲をかかず、自分たちのレースをしっかりとやるという部分でベストのレースがずっと続いてると思っているので、そのスタンスは変えずに頑張りたいです」と冷静に現状を分析した。

 LEON PYRAMID AMGは最終戦で2位以上に入れば自力チャンピオンを獲得することになるが、12月の鈴鹿大会で笑うのは一体誰になるのだろうか。シーズン最終戦は真冬の季節になりそうだが、レースは真夏のごとく白熱した展開が繰り広げられるかもしれない。

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