AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)・リーグフェーズ第4節が5日に行われ、川崎フロンターレ(日本)と上海海港(中国)が対戦した。
アジアの頂点を懸けた戦いもいよいよ第4節に突入。川崎Fは9月18日に敵地で行われたACLE初陣の蔚山HD(韓国)戦こそ、54分にマルシーニョが挙げたゴールが決勝弾となり、1−0と白星スタートを切ったが、以降は光州FC(韓国)、上海申花(中国)に連敗。前節の上海申花戦は立ち上がりの5分でマルシーニョが一発退場を強いられるなど、苦しい戦いの末に0−2と黒星を喫しており、この悪い流れに歯止めをかけたい。
ホームでのACLE初勝利を狙う今節は、ここまで1勝1分1敗とまずまずのスタートを切った上海海港と激突。川崎Fは佐々木旭、家長昭博、エリソンといった面々がスターティングメンバーに並ぶ。一方、昨季まで横浜F・マリノスで指揮を執ったケヴィン・マスカット監督が率いる上海海港は、エースのオスカルらが先発に名を連ねた。
試合の均衡は立ち上がりの12分に破れる。川崎Fは敵陣左サイドへサイドチェンジのボールが送られたところから攻撃へ。ボールを受けた三浦颯太が一気に加速し、ボックス左深い位置までドリブルで侵入すると、マイナス方向へ折り返す。このボールは味方に合わずにクリアされたものの、こぼれ球に家長昭博が反応。利き足とは逆の右足でダイレクトボレーを叩き込み、川崎Fが先手を取った。
この先制点で勢いに乗った川崎Fは、直後の13分にもゴールへ迫る。敵陣中央でクリアボールを回収した山本悠樹が縦パスを通すと、ボックス手前で待っていた瀬川祐輔が左へ流し、最後はエリソンが左足でフィニッシュ。ここはGKに防がれたものの、こぼれ球を瀬川がダイレクトで押し込み、待望の追加点をゲット。川崎Fがわずか2分間で2ゴールを奪って見せた。
対する上海海港はオスカルや最前線のグスタボが中心となって反撃の隙を探ったが、なかなかチャンスを作り出せない。すると33分、またも川崎Fの攻撃が繰り出される。
自陣左サイドからボールを持ち運んだ山本が背後のスペースへボールを送ると、走り込んでいたエリソンはボックス左の位置でうまくボールをキープ。マイナス方向へ折り返すと、走り込んできた瀬川はスルーし、最後はファンウェルメスケルケン際が右足を振り抜く。相手に当たってディフレクションした一撃がゴールに吸い込まれ、川崎Fが前半だけで3ゴールを奪った。
後半に入ると、上海海港が早い時間帯で1点を返すべくチャンスの数を増やしていく。67分には敵陣右サイド大外で前を向いたマティアス・バルガスからのスルーパスで、ヤン・シーユエンがポケットへ侵入し、クロスボールにグスタボが頭で合わせたが、ここはわずかに枠を外れる。
対する川崎Fは70分、途中出場の大島僚太が縦へ預けると、ボールを引き取ってスピードを上げた瀬川が自らボックス内まで持ち込む。左足でニアサイド上を狙ったシュートは枠を捉えたが、ここは相手GKのビッグセーブに阻まれた。
後半は上海海港ペースで時間が経過するなか、川崎Fは3点のリードを保って終盤へ突入したものの、83分には1点を返される。ボックス手前の位置で前を向いたオスカルが横へ繋ぐと、最後はバルガスが狙い澄ましたミドルシュートを突き刺した。
1点を返された川崎Fは87分、小林悠の放ったヘディングシュートがポストに嫌われる場面などもあったが、これ以上点差を広げることはできない。90分にはリスタートを邪魔した家長にこの日2枚目のイエローカードが提示され、川崎Fは2試合連続で退場者を出すこととなったが、3−1のまま試合終了の笛が吹かれた。
この結果、川崎FはACLEにおける連敗を「2」でストップ。3試合ぶりに勝ち点「3」を積み上げた。
次節は26日に行われ、川崎Fはブリーラム・ユナイテッド(タイ)と、上海海港は蔚山HDと、ともに敵地で対戦する。
【スコア】
川崎フロンターレ 3−1 上海海港
【得点者】
1−0 12分 家長昭博(川崎フロンターレ)
2−0 13分 瀬川祐輔(川崎フロンターレ)
3−0 33分 ファンウェルメスケルケン際(川崎フロンターレ)
3−1 83分 マティアス・バルガス(上海海港)