11月2日(土)にバーレーンで行われたWEC世界耐久選手権第8戦で、当初2位でフィニッシュしていた51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)は、予選とレース向けに割り当てられた26本というタイヤ本数制限を超過したためペナルティを受けたが、後日フェラーリはこの違反に至った経緯を説明した。
ジェームス・カラド、アレッサンドロ・ピエール・グイディとともに51号車フェラーリ499Pをドライブしたアントニオ・ジョビナッツィは、レースの最終ラップで5号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)からポジションを奪い、最終戦の8時間レースを2位でフィニッシュした。
しかしレース後、タイヤの割り当てを2本超過したとして4分55秒のタイムペナルティを受け、正式結果では完走したハイパーカーのなかで最下位となる14位へと降格した。
レース翌日、フェラーリはプレスリリースで事件の経緯を独自に説明し、51号車は予選とレースで規定の26本のタイヤしか使用していなかったが、そのうち2本は割り当て外のものだったと強調した。
プレスリリースには次のように書かれている。
「レース後、スチュワードはブルテンNo.40を発行し、51号車にペナルティを科し、これにより14位に降格となった。この文書によると、この車両は予選とレースで許可された26本を超え、28本のタイヤを使用したとある」
「実際には、チームは26本のタイヤ制限を尊重していた。しかしながら、ミスにより、予選中にスクラブされレース用に用意されていたタイヤではなく、グリッドフォーメーション用に車両に装着されていたタイヤをレースで使用した」
「この2本のタイヤは、チームに割り当てられたタイヤの一部とはみなされなかったため、当該のスチュワードの決定となった」
フェラーリの耐久レースカー部門責任者であるフェルディナンド・カニッツォはルーキーテスト後の日曜夕方、記者団に対しペナルティに関する詳細を語った。
「レースでは、我々は26本のタイヤで走ったとしか言えない」とカニッツォは語った。
「それだけだ。舞台裏で何が起こったのか、そして何が起こったのかの責任は別の話で、私はそれを内部に留めておきたいと思う。間違いなく、それはミスによるものだった」
「私としては、我々の走らせ方は何も変わっていない。これは重要だ。私たちは何のアドバンテージも不利益も、何も得ていない」
ペナルティが厳しすぎると感じたかと尋ねられたカニッツォは「コメントはしたくない。私の意見では、スチュワードが規則を解釈する状況と、解釈しない状況があるということだ」と答えている。
「私が言える唯一の点は、すべてのレース、すべての状況で同じ基準を持つように努力すべきだということだ。それが私の望みだ。機能しないのは、異なる状況に異なる基準が適用された場合だ」
カニッツォはまた、フェラーリのペナルティと、レースの48時間前という期限までに「RFIDとバーコードによる識別用のタイヤの正しい参照リスト」を提供しなかったとして、レース後にミシュランに科された罰金との間には関連性はないと述べた。
ミシュランは1万5000ユーロの罰金を科され、そのうち1万ユーロは2025年シーズン終了まで執行猶予となった。関係するスチュワードの報告書によると、正しいリストはレース開始の3時間前の土曜日の午前11時に提供されたという。