政治の中心の話題となっている、年収「103万円の壁」の引き上げの議論。自民党と国民民主党は今週金曜日にも協議を始めますが、壁が引き上げられたとしても手取りが20万円以上減ってしまうという試算もでています。
「130万円の壁」手取りが20万円以上減る可能性もフラッシュに照らされ国会を歩く、国民民主党の玉木代表。衆院選後、初めて立憲民主党との党首会談に臨みました。国民民主党が選挙で訴えた「年収103万円の壁」の引き上げが議題に。
国民民主党 玉木雄一郎 代表
「103万円の壁、我々は主張していますけれども、立憲民主党としても協力するという話がありましたので、それは是非協力していただきたいと」
野田代表は“協力”の姿勢をアピールしました。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「103万円の年収の壁について突破していこうという動きについては、敬意を表するということを申し上げて、我々も協力、そして後押しをしていきますと」
また、自民党と国民民主党の幹部の会談でも、実務者間で協議を行っていくことを確認しました。
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焦点となっている「103万円の壁」。年収103万円を超えると所得税がかかるとして、“働き控え”に繋がっている実態があります。
一方、「103万円の壁」の引き上げだけでは、“働き控え”は解消しないとの声も…
パート従業員
「壁がなくなるというのは、皆さんあんまり気にすることがなくなるのでいいかと思いますけど、社会保険の方も同時に考えていかないと、あんまり意味はないとは言いませんけれども、やっぱり両方一緒に考えないとなって思います」
パート従業員
「社会保険の負担ってすごく大きいですよね。金額が割と大きいじゃないですか。だからこんなに働いているのに手取りこれだけになっちゃうのという感じになりますよね」
「103万円の壁」が引き上げられたとしても、次にぶち当たるのが106万円・130万円の壁。社会保険料を負担する必要がでてくるのです。
特に指摘されているのが「130万円の壁」。例えば、従業員が50人以下の企業で、年収128万円まで働いた場合、手取りは約123万円になりますが、年収132万円まで働いた場合、社会保険への加入で手取りは約109万円に減ってしまいます。
さらに、社会保険に加入できず国民健康保険に加入する人は、手取りは約100万円まで減るケースもあり、壁を超える前と比べると20万円以上手取りが減る可能性があるという試算も。
雇い主側からも「103万円の壁」の引き上げだけでは“抜本的な解決にはならない”との声が出ています。
アキダイ 秋葉弘道 社長
「例えば壁も、103万円の壁とか130万とか150万円とか色々ある。103万の壁を178万にしたところで、色々な壁を一緒に連れていってもらえなかったら、結果的にその効果は非常に薄い」
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ただ、玉木代表は“社会保険の壁”の見直しには消極的です。
国民民主党 玉木雄一郎 代表
「政府としても暫定的な支援パッケージということをやってますから、“社会保険”の壁については一定手当が今できている」
政府は2023年、暫定的な対策として、残業などで一時的に年収が年収が130万円を超えても、雇い主側の証明があれば、扶養から外れないようにするなどしています。
しかし、この対策では“不十分だ”との声も…
立憲民主党 階猛 衆院議員
「(政府の対策は)『2年限定』というのも問題ですし、収入増加が一時的なものなのかどうかは、果たして公正に判断できるのかという問題もあります。まず我々が念頭に置いているのは、一番手取りが減る130万円の壁を超えた場合には、手取りが減った分を給付で補う」
立憲民主党は、2024年2月に独自の法案を提出していていて、130万円を超えて働いた人に「給付」で対応するとしています。
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立憲民主党 階猛 衆院議員
「そんなに財政的な負担は大きくない。例えば200万円まで給付を行う、徐々に減らしながら給付を行うという場合だと、我々の試算だと1兆円を切るぐらい。国民民主党さんのおかげで、『年収の壁』に対する理解が今どんどん広がっている。これは非常にありがたいことだと思っている。どこに手当を講じるべきか、そしてそれに税金をいくらまで投入したらいいのか、みんなで建設的に議論できるようになればいい」