中小建設業の苦境が続いている。帝国データバンクが調査結果を発表し、2024年10月末までに建設業の倒産が1566件あったことが分かった。8年ぶりの高水準を記録した2023年を上回るペースで推移しており、通年として過去10年で最多を更新する見込みだ。
都市部の再開発事業や、災害復旧工事などで工事需要は旺盛な一方、4月から残業時間の上限規制が始まったことで、職人や現場監督の求人難がより深刻化。木材を中心に建築資材価格が高止まりしていることと合わせて、経営を圧迫している。
帝国データバンクによると、9月時点で人手不足感を抱える建設業の割合は69.8%と、高水準の推移が続く。人手不足は人件費の高騰にも影響し、7月の現金給与総額は前年同月比で約10%上昇。全産業を大幅に上回る高い伸びが続いている。
いわゆる「人手不足倒産」も前年を上回るペースで推移している。人がいないことで工期の延長や後ろ倒しといった悪循環が発生しやすくなり、特に中小建設業の倒産件数を押し上げる要因となっている。
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帝国データバンクは「内外からの賃上げ圧力に晒される中で、賃金引き上げ余力に乏しい中小零細規模の建設業で倒産増が続く可能性が高まっている」とコメントした。
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