将棋の西山朋佳女流三冠(29)=白玲・女王・女流王将=の棋士編入試験(5番勝負)の第3局が8日、大阪市で指され、西山女流三冠が上野裕寿四段(21)に敗れた。これで1勝2敗となり、初の女性棋士へ後がなくなった。第4局は12月に宮嶋健太四段(25)と対戦する。
新人王戦など棋戦優勝2回のホープである上野四段の手堅い指し回しに屈した。西山女流三冠は終局後、「負けてしまったが、新しいことを試して充実感はあった。次回も課題を持って挑めれば」と前を向いた。上野四段は「中盤は押さえ込まれる展開で苦しかった。西山さんの強さだったと思う」と語った。
女流棋士は「棋士」とは別の制度。棋士編入試験は、四段の棋士5人と対戦し、3勝すれば合格となる。西山女流三冠が残る2局に連勝すれば、女性初の棋士が誕生する。