◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム11月のテーマは“野球日本代表”
「過去の野球日本代表で思い出されるのは、トップチームではありませんが2007年の大学日本代表ですね。日本代表が常設される前、侍ジャパンと呼称がつく前のことです」。
ニッポン放送・洗川雄司アナウンサーは、2007年にアメリカのダーラム、カナポリスで行われた『第36回日米大学野球選手権大会』について語ってくれた。当時の大学日本代表には、東京六大学の1年生投手としては史上初のベストナインに選出され、全日本大学野球選手権大会では1年生で史上初の最高殊勲選手に選ばれた早稲田大の1年・斎藤佑樹、東洋大4年の大場翔太、慶應大4年の加藤幹典、野手では東洋大3年の大野奨太、関西学院大4年の荻野貴司、東海大4年の荒波翔とのちにプロ野球で活躍する選手が多く代表にいた。
「この大会で現地にアナウンサーを派遣して生中継で実況リポートしたのは、ニッポン放送だけだったと記憶しています。当時アメリカ野球協会に大変お世話になりまして、現地で交渉したところ、放送席を快く貸していただけたんですね。余談なんですけれど、ダーラムの球場はマイナーチームの球場ながら、立派な記者席と放送ブースがありまして、さらにWi-Fiも完備されていました。ホットドッグなどメディア向けの軽食も用意されていました」。
「もちろんグラウンドは整備された緑の天然芝。今でこそ日本のファームも立派な球場ができるようになりましたけど、アメリカ球界は裾野まで恵まれた環境なんだなと当時驚いたことを覚えていますね」。
同大会は日本がアメリカ大学代表を3勝2敗で破り、アメリカで行われた大会では19回目にして初めて優勝を果たした。
「ちょうど前年の06年にはWBCで日本代表が世界一になって、それにつづけとばかりに大学生もアメリカの地で結果を残して、斎藤佑樹投手中心に話題を呼んだこともあって、この辺りから各カテゴリーの日本代表が注目されていくようになったなと実感しています」。
「去年の大学日本代表は、斎藤佑樹投手たちの2007年以来、久々にアメリカで日米大学野球選手権を制しました。胴上げ投手になったのが広島で今季プロ初登板・初勝利を果たした青山学院大の常廣投手。第1戦で本塁打を放ち、第4戦で決勝打を放ったのが今季ソフトバンクで前半戦活躍していた慶應大の廣瀬隆太内野手。もちろんことし10月に開催されたドラフト会議で5球団競合の末、楽天が交渉権を獲得した明治大の宗山内野手、1位でロッテが交渉権を獲得した青山学院大の西川選手も優勝メンバーでした」。
「ここから先、侍ジャパンのトップチームにプロの若手だけではなくて、大学生も加わるとなるとどういう成長曲線を描くのか。おそらくこの世代というのが次のWBC、次の五輪の主力になっていくのは確かですから。大学のカテゴリーの段階から侍ジャパンのユニホームを背負って活躍してきたところが非常に頼もしい存在なんじゃないかなと思って見ています」。
9日から「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」が開幕する。ニッポン放送でも侍ジャパンがスーパーラウンドに進出した場合、東京ドームから中継する予定だ。洗川アナは「侍ジャパンのトップチームデビュー戦になる選手もいると思うので、その人たちが2年後、4年後、どういう姿になっていくために今何をしなければいけないのか、この試合で何をしなければいけないのかをお伝えできればなと思っております」と意気込んだ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)