画像提供:マイナビニュース 大王製紙のブランド「エリエール」が、11月10日=いいトイレの日にあわせてトイレットペーパーの豆知識を公開している。
○なぜシングルとダブルが存在するの?
初めてトイレットペーパーとして一般的に市販されたのは、1857年にアメリカのJoseph Gayettyが発売した 「Gayetty sMedicated Paper」。ティシューのような形状で、紙を巻いたロール状ではなかったという。ロール状のトイレットペーパーは、1890年にアメリカの Scott paperが発売した商品が初で、シングルタイプだったとか。
ダブルのトイレットペーパーは、1942年にイギリスのSt.Andrew's Paper Millが発売した「ANDREX」という商品。当時の広告によると、女性や子ども、敏感肌の人のために開発されたようだ。このように、肌により負担の少ない商品を開発するために、ダブルという新しい技術が取り入れられることになったといわれている。それ以来、シングルにないダブルならではの機能性 やわらかさ、厚み、吸水力などが支持され、ダブルという選択肢も取られるようになっている。
○シングルとダブルの違いや特長は?
シングルはダブルと比べて1ロールあたり約2倍の長さとなっている。また、1枚の紙でダブルと同程度の丈夫さが求められるため、1枚あたりで見るとダブルよりも丈夫で破れにくい設計となっている。ダブルは2枚重ねでシートを形成しており、シングルより厚くやわらかいのが特長。
なお、エリエールのトイレットティシューは1枚ずつエンボス(型押し)加工するダブルエンボス技術を採用しており、 型押しした凸部が向かい合わせとなるように重ねている。そのため、表面がなめらかで、 シートとシートのあいだに空気の層を挟み込むことで、ふんわりとした肌触りとなっている。
○シングルとダブルはどちらが人気? コスパが良いのはどっち?
日本国内での販売金額で比較すると、シングルが約3割、ダブルが6割以上と、圧倒的にダブルのほうが売れている。ちなみに、世界的に見るとシングルのトイレットペーパーは少なく、ダブル以上、3〜4枚重ねのものが一般的。日本では薄くやわらかいトイレットペーパーが好まれる傾向にあることから、シングルやダブルが多いが、アメリカやヨーロッパなどでは、厚みのある商品が好まれる傾向があるようだ。
シングルでもダブルでも、1回に使用する長さが同じだった場合、シングルは1ロールあたりの長さが長いので、ダブルよりも経済的に使用できる可能性がある。しかし、ダブルはやわらかいだけでなく、水分の吸収性も高いのが特長。そのため、1回あたりの使用量が少なくなり、1ロールを使い切るまでの期間はシングルでもダブルでもほぼ変わりはないという。(大王製紙調べ)
○トイレットペーパーの好みに地域や性別による違いはある?
エリア別に見ると、首都圏と九州地方は7割以上の人がダブルを使っており、北海道、関西、四国ではシングルとダブルの割合がおよそ5:5で、若干シングルの割合が高いという結果が出ている。「シングルはダブルより2倍近く長いため、その分長持ちだ」というイメージのある人も多くいることから、経済的に使いたいという人の多さとの関係があるのかもしれない。
年代による違いは見られないが、男性の方がダブルを多く使われる比率が1割ほど高くなっている。理由は、男性がシャワートイレを使用する比率が高いからで、2枚重ねのダブルのほうが吸水しやすくシャワートイレとの相性が良いからだと考えられる。
○トイレットペーパーの表面はなぜ凸凹しているの?
エリエールのトイレットティシューの表面に施した凸凹とした加工をエンボス(emboss:浮き彫りにする)加工と言う。トイレットティシューにエンボス加工をすると、シートが肌に接触する面積が小さくなり、その分摩擦が減って肌触りが良くなる。また、シートに凸凹があることで、重なったシート間に隙間があくため、水分を吸収しやすくなる。そのほか、エンボス加工をすることで、紙があたかも揉まれたようになるため、紙自体がやわらかくなるという効果もある。
○トイレットペーパーには裏表があるの?
トイレットペーパーには表と裏がある。紙を抄く作るときと、エンボス加工をするときに、どうしても表裏ができてしまうのだとか。 特にエンボス加工による影響が大きく、表側は肌触りが良くなるように丸みを帯びたエンボスとしている一方、裏側はザラザラした形となっている。
シングルのトイレットペーパーは裏側が内を向くように巻いてある。使用時、裏側を外に向けてたたむ人が約20%もいるという調査結果もあるが(大王製紙調べ)、表側が肌にあたるように使ったほうが、より心地良く使用できる。
エリエールのダブルのトイレットペーパーは、裏側同士を重ね合わせているため、巻いてあるどちらの面を使っても表を使用できる。ただし、世の中にはダブルでも表と裏のある設計の商品も存在するという。
○トイレットペーパーはなぜロール状なの?
トイレットペーパーは全世界共通でロール状。なぜトイレットペーパーがロール状になったのか、いつだれが開発したのか、といったことは、残念ながらわかっていない。使い勝手の良さ、大量生産のしやすさから、 現在の形になったと考えられている。日本で初めてロール状のトイレットペーパーが発売されてから今年で100年目だといわれている。ちなみに大王製紙は1979年にトイレットティシューの製造販売を開始。今年で45周年を迎えた。
○トイレットペーパー1回あたりのベストな使用量は?
特に決まった量はないが、衛生面から考えると、便が直接手につかない十分な厚さが出るように重ねることが推奨される。一概にはいえないが、温水洗浄便座などを使った場合は、ダブルで5枚、シングルで10枚程重ねると、水分をしっかり吸い取りながら、手にも染みにくく使用できる。
なお、近年増えつつある節水タイプのトイレは、一度に大量のトイレットペーパーを流すと詰まってしまうことがある。節水タイプのトイレを使用しているのであれば、どのくらいの使用量が推奨されているのか、説明書などで確認できる。
○トイレットペーパーの正しい使い方 & NGな使い方ってあるの?
トイレットペーパーの「正しい使い方」というものはないが、肌に触れる衛生用品であることから 、 肌を痛めないようにこすらず、かつ、手が汚れないことを意識して使用できる。また、トイレットペーパーを折りたたむのではなく、丸めて使うという人も約3割程度いるというが、これも間違いではない。トイレットペーパーを丸めることで、よりふんわりと空気が含まれることになり、使い 心地良く感じられる。
「NGな使い方」は、湿気が高い場所での保管。浴室近くは湿度が高いため推奨されていない。一度濡れたトイレットペーパーは、乾かせばまた使えるが、紙質が硬くなってゴワゴワし、肌触りが悪くなる。そうならないよう、湿気が低い場所での保管が望ましいという。ユニットバスの場合、室外の物置などに保管することが推奨される。
○トイレットペーパーにミシン目がある理由と幅の長さは?
使用するときに好みの長さに調節しやすく、軽く切り取れるようにミシン目を入れている。この長さは製造設備により異なるという。長さについては業界標準やJIS規格のような定めはないが、日本の主要メーカーで作られる商品はこの範囲のものが多くなっている。一方でミシン目の全くない商品も存在する。
○トイレットペーパーのミシン目がズレた時の対処法は?
ダブルのトイレットペーパーのミシン目がズレてしまう、上の紙と下の紙が上下逆になったときに発生するこの現象 。実は2ステップで直すことができる。
○近年、人気が高まっている トイレットペーパーは?
トイレットペーパーには香りや絵柄がついたもの、消臭タイプ、シャワートイレ用タイプなど、さまざまな商品があるが、近年人気が高いのが「長巻タイプ」。
長巻タイプは使用者にとって、交換や買いに行く手間が省け、ストックのための収納場所を取らないというメリットがある。また、販売者にとっては、多くの商品が陳列できる、物流業者にとっては、効率的に輸送でき、物流問題の改善につながるとされている。さらに、配送時の二酸化炭素排出を削減できるなど、各方面に大きなメリットがあることから、ここ数年ニーズが高まっているという。
○トイレットペーパーの包装を簡単に綺麗に開ける裏ワザは?
まとめてトイレットペーパーを取り出したいときや、袋を綺麗に開けたいときは、取っ手と袋の繋ぎ目に沿って両端から割くように開くと、取り出し口を大きく綺麗に開けることができる。この方法で開けると、袋の口をしばって保管することができたり、トイレットペーパーがなくなった後にゴミ袋として活用できて便利。
なお、消臭機能や香り付きのトイレットペーパーは、消臭効果や香りを長持ちさせるために、包装パッケージに機密性の高いフィルムを使用しているため、未使用分のトイレットペーパーはパッケージに入れたまま保管することがおすすめだという。(Yumi's life)