isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2024年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
世界の裏に入る
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今週のおひつじ座は、「音なき沈黙」に浸るべくサッと身をひるがえしていくような星回り。
生まれては消え、消えては生まれゆく泡のごとく、たえず生成変化するこの世の時間の轟轟とした力強い流れの中にあってなお、私たちは時にいつの間にかそこから脱け出して、非常に深くて静かな場所に到達することがあります。
哲学者のハンナ・アーレントは、精神が到達するそうした領域のことを「非時(ときじく)の小道」と呼び、そこでこそ哲学する精神は生きているのだと考えました。
ここのところ見失っていた生のまったき瞬間、時々刻々が新しい創造であるという感覚を味わっていくべし。
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私はこんな人間を愛する
今週のおうし座は、自分なりの人間賛歌をうたっていこうとするような星回り。
『月光の霧に電燈光卑し』(西東三鬼)という句のごとし。
卑しさというのはそれを感じる人間の心の方にしのび寄ってくるものであり、それは目の前に広がっているのが完璧な世界であればあるほど、白シャツに咲いた1点の染みのようにどうしたって際立ってしまうもの。完璧でありたいのに、どうあがいてもそうあれない存在としての人間の姿を、いや自分自身の似姿を、作者は霧の中の電燈に見出していたのかもしれません。
さりげなくもきっぱりと自身の愛する人間像を打ち出していくべし。
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illustration by ニシイズミユカ
憎しみの化学
今週のふたご座は、はらわたの奥底から憎しみを絞り出していこうとするような星回り。
「〇〇コンプレックス」だとか「●●障害」だとか、昨今の言論空間はますます心理学や精神分析の用語であふれかえり、それまで多くの言葉を費やして言われていた内容が一語で切り捨てられてしまう場面が増殖しているように思いますが、それは現代人がますます傷つきやすく、痛がりになってしまったことと無関係ではないはず。
逆に言えば、いまの言論空間にもっとも欠けているのは、目くるめくような底なしの絶望のなかを生身でのたうち回る中、耐えうるぎりぎりのところで発された痛憤の言葉であり、血のぬくもりさえ感じられるような絶唱に他ならないのではないでしょうか。
あなたもまた、みずからの血の澱みをこそ再確認していくことになるでしょう。
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縁を乞う
今週のかに座は、心の底から望みつつも手に入れられていないものが明確になっていくような星回り。
『冬日を頒つ友なし山を開拓す』(細谷源二)という句のごとし。
生活俳句はともすると愚痴に流れるか、スローガンが先行しすぎてしまうかのどちらかに寄りがちですが、掲句からは今まさに生きようとしている自己をじかに掴み取っていこうとする無骨な真摯さが感じられるはず。
あなたもまた、そんな秘めた想いがはっきりとした願い事へと変わっていくプロセスを踏んでいくことになるでしょう。
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なりふり構わず
今週のしし座は、今こそ「奴僕」となって世の為人の為に尽力していこうとするような星回り。
仏教学者の渡辺照宏は、不動明王の特徴は「奮迅、忿怒、威猛」に尽きるのだとした上で、斬新な表現で説明を加えています。
不動明王は「奇怪」にして「崇高」であるという「ヌミノーゼ(言葉では言い難い非合理的で、さまざまな宗教的要素を包含したもの)」の体現者であり、それゆえに人びとはそこに「畏怖」を感じてひれ伏すと同時に、どうしようもなく「魅惑」を感じて引きつけられるのだと言うのです。
あなたもまた、どうしたら少しでも「お不動さま」に近づいていけるのか、自分の頭で考え実践してみるといいでしょう。
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弱弱しくも清らかな
今週のおとめ座は、聖なる感覚がひときわ高まっていくような星回り。
『教会のやうな冬日を歩みをり』(石田郷子)という句のごとし。
冬の厚い雲間から日ざしが光線のように降りそそいでいる空間を、どこか教会の聖堂の内部のように感じながら歩いているのでしょう。そう読むと、とたんに身に受ける冬の日ざしの厳かな質感が鮮明に像を結んで頭に浮かんでくるはず。
あなたもまた、道徳的に正しいものでも、自分に特になるものでもなく、思わず身が浄化されるような感覚を覚えるものの方へと歩み寄っていくべし。
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地層が動く
今週のてんびん座は、「歩く」ということをいったんひも解いては、別様にむすび直していくような星回り。
ポーランドの演劇家イェジュイ・グロトフスキは、舞台装置や音楽、セリフなどの総合としての「豊かな演劇」に対して、演劇にとって不可欠な要素だけを残して他を大胆にそぎ落としていった「貧しい演劇」を提唱したことで知られ、同時代の舞踏家・土方巽の「肉体の叛乱」などとも通底するところがあります。
どちらとも、中心になってくるのは演者の「身体」やそれによる対話であり、そこでは自分の考えや意見を言葉によって主張できるし、そうしていくべきといった近代社会的なお約束事は崩れ、むしろ言葉による概念やカテゴリーがずらされ、溶かされ、これまでとは別の仕方でつなぎ直されていく―。
あなたもまた、やはり自分の“身体”がどれほど多くのことを行っているかを肌で実感していくことでしょう。
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或る経験の浮き沈み
今週のさそり座は、いつも以上に饒舌になっていくか、だんだん無口になっていくかのいずれかに振れていくような星回り。
『口重き男いきなり鶴のこと』(蟻塚尚孝)という句のごとし。
ふだん無口な男が、不意に口を開いたと思ったら鶴のことだったというところが、なんとも華やかな一句。しかし、いつもならあいづち専門で、自分から話を切り出すことなんてまずしないような人間が饒舌になればなるほど、相手の口数が減ってしまうのはなぜなのか。
あなたもまた、意外なところで関係性のつり合いが取れていくことになるかも知れません。
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漂泊の心性を温める
今週のいて座は、「働いても働いても生活が楽にならない」という状況をどう打開していくのかが焦点になってくるような星回り。
「定住漂泊」とは、俳人・金子兜太がまだ日本銀行に勤めていた53歳頃、2年後の定年を前に自身の生き方を定めるつもりで書いた本の題名であり、そのまま彼の生き様を表した言葉。
金子にとって、漂泊とはある種の情念であって、必ずしも放浪生活そのものは必要でなかったのでしょう。そうではなくて、反時代の、反状況の、反自己の、定着することができない魂の在り様であって、その芯の部分には「無」や「虚」があったのだと思います。
今週のいて座もまた、自分の中にある日常では決して満たされない部分を薄めてしまうことなく、肯定し受け入れていくのか否定し絶っていくのか、問われていくことになりそうです。
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真の人生は
今週のやぎ座は、どこかで隠し持っていた「本気」を発動させていこうとするような星回り。
『膝がしら木曽の夜寒に古びけり』(小林一茶)という句のごとし。
同じ頃の作品に有名な『やせ蛙まけるな一茶これにあり』という句もあるように、掲句でもむしろ使い込んできた膝がしらが鈍く光っているのを見て、ニヤリと笑っているようでもある。追いこまれてきた感じもするが、それで終わってしまう気もしない。今回も何とかなるだろうし、何とかするしかない。そうして隠し持っている底力をゆり動かしている様とも読めるのはではないでしょうか。
あなたもまた、どこかでまだ噛み合っていなかったギアを入れてていくような瞬間がやって来るでしょう。
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<私>の輪郭の曖昧化
今週のみずがめ座は、「私が私であること」の手綱をそっとゆるめていこうとするような星回り。
「案じるより狂うが易し」とは精神科医の春日武彦の言葉で、いわく精神疾患というのは大別すると「神の悪意」と「案じるより狂うが易し」のいずれかに振り分けれるというのである(『奇想版 精神医学事典』)。
近代社会では一見すると「多様性」ということが称揚されているように見えますが、個人レベルでは人格的にも行動的にも首尾一貫して「同じ私であること」が前提とされていて、そこに著しく違和感や居心地の悪さを感じてしまう人は、おのずと病気として医療化され、“治療”の対象とされてしまう傾向があります。
あなたもまた、無理をして自分を首尾一貫させ続けるよりも、戦略的に自分を多様化させる技を繰り出していきたいところです。
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貝の神秘
今週のうお座は、誰か何かに「してやられること」をもっと許容していこうとするような星回り。
『牡蠣啜るするりと舌を嘗めにくる』(坊城俊樹)という句のごとし。
この句は黙食して油断していたところをまんま“してやられ”、思わず声=言葉が出てきた作品とも言えるでしょう。こちらが牡蠣を「啜(すす)る」と、それに呼応するかのように牡蠣の方も「するり」と舌を嘗めにきたのだというのです。
あなたもまた、一方的な関わりになりがちな相手より、できるだけインタラクティブな関わりを持てる相手との交流を楽しんでいきたいところです。
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