実績がないのに自信過剰で上から目線の人と、一緒に仕事をしたい人はいないだろう。埼玉県の50代男性は20年前を振り返り、当時勤務していた会社に中途採用で入ってきた同僚のエピソードを語る。
「地元の信金をリストラされて入社になったAさん。(中略)いろいろ話しているとプライドが高いのか、『僕は自分で辞めて来たんだよ』『大卒でイギリスに留学してた』など何かと上から目線で、周りから浮いていました」
男性は「変わった人だな」と思いつつも普通に接していたが、いざ仕事が始まるとAさんのやばい一面が次々と明るみに出てきたという。(文:福岡ちはや)
営業未経験で「僕は同行販売したくないんです。嫌いなんです」
Aさんは当時42歳で営業未経験だった。男性の部署では洗剤などの業務用商品を扱っており、顧客と同行して商品を販売する営業の仕事があった。しかし、Aさんは顧客から同行販売の依頼が来ても、なかなか行かなかったという。
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「上長が痺れを切らして『なんで同行販売に行かないんだ』と問い詰めたところ、『僕は同行販売したくないんです。嫌いなんです』と上長に食いつく始末。結局、担当地域ではなかったのですが私が行く羽目に」
さらにAさんは「俺は洗剤なんか合ってないんだ、俺は化粧品の部署のほうが能力を発揮できるんだ」と言い出し、上長に直談判まで始めたという。そんなAさんを見て、
「訳がわからない」
「業務用(の営業)がまともにできないのに、化粧品(の営業)なんかできるわけないだろ!」
と内心ツッコミを入れたが、なんと希望がとおりAさんは化粧品部門へと異動になったそうだ。
ただ、これには裏があり、化粧品を扱う部署の上長と仲が良かった男性は「うちで(Aさんを)引き取るよ。でも使えなかったらすぐにほっぽる」という話を耳にしたという。そうとは知らないAさんは、化粧品部門で「ここが俺の場所だ。こっちなら能力を存分に発揮できる」と意気揚々としていたが、その後は予想どおりの展開が待っていた。
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「化粧品部門のお客様は担当者も女性が多いので、やはり担当の営業さんもそれなりに身なりには気をつけていますし、勉強もしています。そこに大した知識もなく、正直見た目が……服装も……。そんな人が行ったところで相手にされるわけもなく。担当を変えてくれ、そんなお客様もチラホラ」
結局、化粧品部門の上長が「いらん」と見限ったため、Aさんは工場の事務にまわされたそうだ。しかし、そこでも仕事ができなかったため「最後は自主退社していきました」とのこと。余談だが、Aさんは女性社員や若い派遣社員にセクハラまがいのちょっかいまで出していたそうで、男性は、
「会社に嫁を探しに来ているのか?」
「仲の良い女性の同僚から『さっきAさんからいきなり肩を揉まれた』なんて言われたことも」
と呆れ返っていた。
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