現在、世界のGT3レースで活躍しているフェラーリ296 GT3について、耐久レースカー部門の責任者であるフェルディナンド・カニッツォは、2026年にEvoバージョンをロールアウトする準備を進めていると明かし、同車の開発目標エリアを概説した。
ミッドエンジンのGT3モデルで2年目を迎えているこのイタリアのメーカーは、世界中のカスタマーチームとのプログラムが成功したことを受け、2025年には大幅なアップデートを行わないことを選択した。
296 GT3は2023年のデビュー以来、ニュルブルクリンク24時間レースやデイトナ24時間レースで重要な勝利を収めているほか、数多くの勝利とチャンピオンシップを獲得している。
「来年、クルマを現状のまま維持することは明白だ」とカニッツォは述べた。
「おそらく再来年には何か新しいものが登場するだろう。我々はそれに取り組んでおり、この車両に何らかの変更を加えて登場するのに適切な年かどうかを判断する必要がある」
開発エリアについて尋ねられると、カニッツォは空力、ドライバビリティ、信頼性の組み合わせを指摘した。
「空力面では、改善できる点が見つかった」と彼は述べた。
「そのため、現在開発に取り組んでいる。しかし、全般的には、マシンの感度を最適化しようとしている」
「一方で、機能性や信頼性の面で少し限界にあるシステムがいくつか見つかっている。修正したいと考えている」
「我々が取り組むのは、これらの分野にすぎない。エンジン側に変更を加えることは想定していない。クルマの大部分は同じだ」
「大きな変更はないが、改善が必要だと判断した分野に重点的に取り組んでいる」
BMWは来年、M4 GT3 Evoをデビューさせる予定で、2026年にはランボルギーニ、レクサス、メルセデスAMGの新型モデルを含む、多数の新しいGT3車がトラックに登場するものと予想される。
カニッツォは、市場が大混乱に陥る可能性を考えると、タイミングは適切だと感じている。
「おそらく2026年が、それ(Evo)が起こる年になると思う」
「遅すぎると、296 GT3の寿命には間に合わなくなってしまう。それが、適切な時期かもしれない。まだ確定してはいないことではあるが、間違いなくいまが適切な時期のように思える」