FIA F2に参戦するトライデントは11月11日、2024年シーズンの終盤2戦(第13戦ロサイル、第14戦ヤス・マリーナ)において、今季FIA F3ランキング21位となったマックス・エスターソンを起用すると明らかにした。
アメリカ・ニューヨーク出身のエスターソンは現在22歳。11歳でオンラインレースキャリアをスタートさせると、その後iRacingで世界トップ35、米国ランキングで4位まで上り詰めた。世界レベルのeモータースポーツドライバーとしてその名を上げたエスターソンは、レーシングカートキャリアを経て、2020年にアメリカで4輪デビューを果たした。
2021年に拠点をイギリスに移し、イギリス・フォーミュラ・フォードに参戦。2021年にはウォルター・ヘイズ・トロフィー、2022年には伝統のイギリス・フォーミュラ・フォード・フェスティバルと、フォーミュラ・フォードのビッグイベントを制している。
2022年と2023年はGB3選手権(旧イギリスF3)を主戦場としていたが、急遽ロダン・カーリンからFIA F3のシルバーストン、ハンガロリンクの2大会へスポット参戦。さらには同年のマカオGP/FIA F3ワールドカップにもイェンツァー・モータースポーツから参戦した。
2024年はイェンツァー・モータースポーツからFIA F3フル参戦デビューを飾るも、チーム力の差もありシリーズ21位という成績だった。
なお、今回のFIA F2への起用はデニス・ハウガーがMPモータースポーツから離脱したことに伴い、これまでトライデントから出走していたリチャード・フェルシュフォーが急遽MPモータースポーツへ移籍したことが発端ではある。現時点ではエスターソンの起用は今季残る2戦のみとなっている。
「想像していたよりも少し早かったけれど、FIA F2へのステップアップを果たすことができてうれしい」と、エスターソン。
「ほんの2年前までフォーミュラ・フォードを駆ってフォーミュラ・フォード・フェスティバルを制していたのに、もうFIA F2にデビューしようとしている。すべてがあっという間の出来事だったけど、僕に近い人たちはみんな、僕がうまくジャンプアップできることを確信してくれている」
「トライデントチームと懸命に働いているし、準備も万端だと感じている。これを実現させてくれたマウリツィオ・サルバドーリ(トライデント/チームオーナー)とジャコモ・リッチ(トライデント/チームマネージャー)、そして僕を歓迎してくれたトライデントのみんなに特別な感謝を捧げたい」
また、チームマネージャーのジャコモ・リッチは「ようやくマックスとレースで一緒に仕事ができることに興奮しているよ」と、コメント。
「2年以上前、彼がまだフォーミュラ・フォードをドライブしていたときに初めて会い、それから彼の進歩を注意深く見守ってきた。彼は今年、FIA F3で非常に力強い走りを見せたが、これは彼にとって国際的なレースでの初年度であり、特に最も小さなチームのひとつ(イェンツァー)に所属し、ほとんどすべてが初めて走るサーキットで戦ったからだ」
「彼は賢く、成熟した穏やかな性格をしている。努力家で、すでに素晴らしいペースを示しているが、まだ(4輪キャリアの)フル参戦4年目で、まだ学んでいる段階だ。今年の彼の進歩を見るのが楽しみだね」
2024年のFIA F2、次戦となる第13戦は11月29〜12月1日に、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開催される。