水素エンジン車で2度目のダカールラリー挑戦。進化した『HySE-X2』が2025年大会に参戦へ

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2024年11月12日 13:20  AUTOSPORT web

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外装の仕上げを待つHySE-X2。内部ではエンジンの改良やレイアウト変更が行われた
 11月12日、技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE: Hydrogen Small mobility&Engine technology)は、2025年の1月3日から1月17日にかけて、中東のサウジアラビアで開催されるダカールラリー2025に、水素燃料エンジンを搭載するバギー車『HySE-X2』を投入すると発表した。

 カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハ、川崎重工、トヨタ、デンソーの7社が組合員となっているHySEは、今年1月に同地で行われたダカールラリー2024に設けられた新カテゴリー“Mission 1000”に、同じく水素エンジン車のHySE-X1で出場し、クラス4位という結果を得た。

 Mission 1000は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて研究が進む、次世代パワートレイン搭載車両のために新されたカテゴリーであり、コース総走行距離は約1000km(約100km×10日間)となっている。来年のダカールラリーに向けては“Mission 1000 ACT 2”となり、これに合わせるようにHySEの新型マシンも『HySE-X2』へと改称されている。

 もちろん、変更されたのは車両名だけではない。HySEは2度目のダカール挑戦を前に、X2に搭載される水素燃料エンジンにおける高回転域の出力特性を向上させたほか、低中回転域での燃費改善、さらに水素タンクの増設といった新たな技術課題に取り組みながら参戦車両を進化させた。

 ダカールラリー2025への参戦に先立ち、11月18〜22日にベルギーのブリュッセルで開催される『ヨーロピアン・ハイドロゲン・ウイーク』にて、HySE-X2の実車両を展示する予定であるHySEは、「全世界で注目されるダカールラリーへの参加を通じ、HySEのプレゼンスや取り組みをアピールすることで、水素小型モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間づくりを引き続き図っていきます」としている。

 なお、ドライバーには池町佳生、ナビゲーター(コドライバー)は二輪と四輪でダカールラリー参戦経験を持つポルトガル人のパウロ・マルケスが起用された。1971年生まれの池町は、バイクで参戦した2000年のダカールラリーにおいて、これまでの日本人最高位となる部門総合10位完走を果たしたほか、2004年には四輪部門T1クラスで1位となった実力者だ。この2024年も二輪部門に参戦し、総合60位(ラリー2クラス44位/ベテランクラス6位)完走を果たしている。

■HySEダカール2025現地責任者:甲斐大智(スズキ)

「2025年のダカールラリーにエンジンおよび車体をさらに進化させたHySE-X2で参加することとなりました」

「2024年のHySE-X1で抽出した課題の対策効果を確認すること、エンジンのさらなる限界領域にチャレンジすることで水素小型モビリティ・エンジン技術へ貢献します」

「活動の内容は、HySEのInstagram(https://www.instagram.com/hyse230517/)でも発信しますので、応援のほど、よろしくお願いいたします」

■HySE-X2の主要諸元
全長×全幅×全高:4000mm×2000mm×1900mm
車両重量:1250kg
エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒スーパーチャージドエンジン
弁方式:DOHC 4バルブ
総排気量:998cc
水素タンク:70MPa×4本(前回は3本、今回は車体レイアウトを改良し4本に増設)
水素搭載量:7.2kg

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