【写真】詐欺被害に遭いかけた有名芸人
木下のもとに、見知らぬ番号からの着信があったのは今年10月の朝方のこと。電話の主は「石川県警のソガ」と名乗り、突然「木下さんですよね? 今から出頭できますか?」と告げたという。寝起きの木下は「仕事なんで、出頭できないです」とワケも分からず断ると、電話の相手は「出頭できないのなら、今から言うようにしてください」と告げて、ビデオ通話を要求。
木下は「今のやり方は、こうなんやろうな」と疑うことなく応じると、警察官の制服姿の男が登場し、警察手帳を見せながら、「周りに誰もいないか確認するために、カメラを360度回してください」と命令。そして、「詐欺容疑で捕まえた人物が木下さん名義のキャッシュカードを所持しており、お金が振り込まれた痕跡がある。8500万円が行方不明だ」と事態を説明すると、身に覚えがない状況に木下は「知らないです」と全面否定。パニック状態の木下に対し、警察官を名乗る男は「あー、やっぱりですか。同じような人が200人ぐらいいるんですよ」と、一転して寄り添うような姿勢を見せた上で、捜査協力を謳ってフルネームや住所、家族構成、口座がある銀行名など、個人情報を事細かに要求。
さらに、口座の残高にも踏み込み、男は「それはいつの通帳記入ですか? ちょっと前じゃ困るな〜。今から通帳記入しに行ってもらえますか?」と依頼。木下は渋ると、「いま“容疑者扱い”されているんですよ? こちらもえん罪を晴らすために事情聴取をしているので、素直に答えてもらわないと」と語気を荒げながら説得。木下は「俺のためにやってくれているんだ」と折れてしまい、銀行に出向いて現在の預金額を1円単位で伝えてしまった。この行動の背景には、木下の「いろんな思いが乗っかっていた」そうで、当時を「問題を起こした芸人として『もうややこしいことは何もないから、どうかお願いします』という思いや、お金のトラブルに巻き込まれた相方のそばにいるので、人より『お金のことは気を付けよう。だから、この事件には関わりたくない』というマインドが強かった」と回顧。さらには「僕に寄り添うような演技が上手かった」と、警察官を名乗る人物を信じてしまった背景を語った。
その後、電話の男は「木下さんってテレビに出ていますか?」と確認した上で、「本部長に聞いたところ、『TKO木下は無関係』と言われたので、無罪です」と伝え、突如切電。後日、木下は石川県警に確認したところ、「『ソガ』という人物はいない」と言われ、なりすまし電話による特殊詐欺だったことが発覚。本物の警察官は「木下さんは有名人だから、ややこしいと思って電話を切ったんでしょうね」と推測していたことを明かした。
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