昨季2024年限りでメルセデスAMGを離れBMWに移籍したラファエル・マルチェッロは、FIA GTワールドカップのタイトル防衛を成功させることに自信を持っており、マカオの有名な公道トラック、ギア・サーキットは「新車で行くには最高のコース」だと宣言している。
29歳のマルチェッロは、このイベントに向けたBMW“カルテット”の一員となり、TOROレーシング・パワード・バイ・MCGの1号車BMW M4 GT3をドライブする。ミュンヘン・ブランドのラインアップには、同じく元マカオGT優勝者のアウグスト・ファーフスのほか、ドリス・ファントール、シェルドン・ファン・デル・リンデも参加している。
マルチェッロは昨年、メルセデスAMGのファクトリードライバーとしての最後のレースで圧勝し、FIA GTワールドカップで初めて複数回勝利を収めたドライバーとなった。
当時、彼はこの勝利をWEC世界耐久選手権ハイパーカーチームの一員としてBMWと契約する前に、シュトゥットガルトへ届ける「最後の贈り物」だと喜んでいた。
そして2024年、彼はGTワールドカップで三度目の優勝を目指してマカオに戻るが、マシンは慣れ親しんだメルセデスのものではない。マルチェッロがAMG製以外のマシンでこのイベントに出場するのは初めてだ。
「マカオでのレースを楽しみにしている」とマルチェッロはSportscar365に語った。
「カーナンバー『1』を着けて走るのも初めてだからそれができるのも嬉しいよ」
「それにマカオは新しいクルマで行くには最高のトラックだよ。なぜなら、それは多くのドライバーに関連していると思うためだ」
マルチェッロは、ドライバーのイベントとサーキットでの全体的な経験が、レースでの成功の決定要因になり得ることの証拠としてエドアルド・モルタラを挙げた。
SJM VSR・セオドア・レーシングの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2でグリッドに並ぶモルタラは、ギア・サーキットでのシングルシーターレースとGTレースで通算7勝を挙げたことで、“ミスター・マカオ”というニックネームを得た。
モルタラのFIA GTワールドカップでの唯一の優勝はメルセデスAMGで獲得したものだが、彼はこのレースがFIAワールドカップの資格を得る前の2011年から2013年にかけて、アウディで3連覇を果たしている。
「ここは他とはまったく異なるトラックであり、特別なトラックだ」とマルチェッロは述べた。
「エド(モルタラの愛称)の場合、別のクルマをドライブしても、1年間走っていなくても、マカオではつねに速かった」
「だから、ここでの経験はどのクルマを運転するかよりも重要なものだと考えている。もちろん、マカオでM4 GT3をドライブすることを楽しみにしているよ」