銀行の預金は、種類により預入期間や利子のつき方が違います
銀行にお金を預けることを「預金する」といいますよね。預金には次のような種類があります。普通預金
いつでも預入れ、引出しができます。利子がつきます。利子は変動金利です。お金を預けておくだけではなく、給与の振込口座に指定したり、公共料金やクレジットカードなどの引き落とし口座に指定できます。頻繁に出し入れする生活費を預けるのに向いています。決済用普通預金(普通預金無利息型)
ペイオフの対象にならず金融機関が破綻しても全額保護される無利息の普通預金です。いつでも預入れ、引出しができます。普通預金と同様に給与の振込口座に指定したり、公共料金やクレジットカードの引き落とし口座などに指定できます。定期預金
1カ月、1年、3年などの期間を決めて預入れます。原則、満期までは引出しできません。利子がつきます。利子は固定金利が一般的です(銀行によっては変動金利の定期預金も扱っています)。
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しばらく使わないまとまったお金を預けるのに向いています。
貯蓄預金
いつでも預入れ、引出しができます。利子がつきます。利子は変動金利です。普通預金との違いは、10万円以上など最低預入単位が決められていること、公共料金などの引き落としができないこと。金利は普通預金よりは高く、定期預金よりは低く設定されている銀行がほとんど。ただし、ここ数年は低金利のため、普通預金とほぼ同じ水準の金利が続いています。すぐには使わないけど、いつでも出せるようにしておきたいお金を預けるのに向いています。
期日指定定期預金
1年以上預入れたら、1カ月前に通知することで、いつでも解約できる定期預金です。預入期間は最長3年までの銀行が一般的。利子は固定金利です。3年以内に使う予定の、まとまったお金を預けるのに向いています。
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郵便局の貯金は、銀行にはない定額貯金もあります
郵便局にお金を預けることは、預金ではなく貯金と呼びます。郵便局は、2007年10月に民営化され、貯金などを取り扱う部門が「ゆうちょ銀行」となりました。ゆうちょ銀行の貯金には次のような種類があります。通常貯金
銀行の普通預金にあたるものです。定期貯金
銀行の定期預金にあたるものです。ただし、ゆうちょ銀行の定期貯金はスーパー定期という愛称は使いません。また、ゆうちょ銀行に預入れることができる定期性の貯金は1300万円までです。定期性の貯金には、この定期貯金のほか次に紹介する定額貯金も含みます。両方合わせて1300万円までです。一般の銀行のように300万円未満か以上かで金利が異なることはありません。
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通常貯蓄貯金
銀行の貯蓄預金にあたるものです。一般の銀行にはなくて、ゆうちょ銀行にあるのが定額貯金です。定額貯金
預けて6カ月たてばいつでも解約ができます。最長10年まで預けておくことができます。最初の3年間は半年ごとに金利が上がる段階金利で、3年たつと3年目の金利が預入れ当初にさかのぼって適用されます。固定金利です。農協や漁協も貯金、種類はゆうちょ銀行とほぼ同じ
JAバンク(農協)やJFマリンバンク(漁協)でも、郵便局と同じく貯金と呼びます。貯金の種類もほぼ同じです。普通貯金
銀行の普通預金、郵便局の通常貯金にあたるものです。いつでも預入れ、引出しができます。定期貯金
郵便局の定期貯金にあたるものです。期間を決めて預入れます。貯蓄貯金
銀行の貯蓄預金、郵便局の通常貯蓄貯金にあたるものです。なお、貯金も利子から20%の税金(所得税・住民税)が引かれます。2037年までは復興特別所得税が上乗せされて合計20.315%となります。
文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー)
大学在学中より雑誌の編集に携わり、卒業後にライターとして独立。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、マネー全般の記事を執筆に加えて、生活者向けのお金のセミナーや家計相談も行う。
(文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー))