『FIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)』のグループA第5節が14日に行われ、朝鮮民主主義人民共和国代表(北朝鮮)とイラン代表が対戦した。この試合は北朝鮮のホーム扱いだが、中立地のラオスにある『ニュー・ラオス・ナショナルスタジアム』で開催された。
北朝鮮はこれまで2敗2分けの勝ち点「2」の6位。一方、イランは3勝1分けの勝ち点「10」でグループ首位に立っている。W杯出場に向けて、互いに勝ち点3が欲しい一戦となった。
このスタジアムではボールの転がりが悪く、両チームともにピッチ状態に慣れることを意識したかのような慎重な試合の立ち上がりを見せる。そんななか徐々にイランがボールを支配しながらシュートを放つなど、北朝鮮のゴールに迫る回数が増えていった。
すると29分、イランが先制に成功する。メフディ・タレミのアウトサイドキックでのスルーパスに反応したメフディ・ガエディが落ち着いてボールをゴールに流し込んだ。そして、42分にはモハマド・モヘビがメフディ・タレミとのワンツーで相手守備陣を崩すと右足を振り抜いて追加点。さらに45分には、イランがペナルティエリアの外、左側からメフディ・タレミから内側にグラウンダーでボールが送られると、そこに走り込んできたモハマド・モヘビが右足を素早く振り抜き、リードを3点差に広げて前半を折り返した。
前半は圧倒したイランだったが、後半開始から間もない51分、退場者を出す。北朝鮮がゴールキーパーからのロングキックをチェ・ジュソンが頭で合わると、イ・ジョグクが抜け出しゴールキーパーと1対1という場面を作る。しかし、イランのショジャー・ハリルザデーがイ・ジョグクを後ろから引っ掛けて倒し、決定機を阻止したが主審はハリルザデーにレッドカードを提示し、イランは一人少ない状態で試合の残り時間を戦うことになった。
すると数的優位に立った北朝鮮が怒涛の反撃を見せる。まずは56分、北朝鮮がショートコーナーからの流れで左サイドから鋭いセンタリングを上げると、ボールはイランのメフディ・タレミの足にあたってコースが変わり、ゴール右隅に吸い込まれた。さらに59分、北朝鮮は右サイドからふわりとしたボールのセンタリングを上げると、チャン・ククチョルが頭で合わせ、そのこぼれ球をキム・ユソンが押し込んだ。1点差に迫る。
その後、67分にイランのメフディ・タレミが自身が得たPKを蹴るも、正面に蹴り込んだボールは相手GKに阻止されて、点差を広げることはできなかった。
終盤は幾度となく北朝鮮がチャンスを作ったが、最後まで同点に追いつくことはできず、試合はこのまま2−3で終了。1点差を死守したイランが最下位の北朝鮮に勝利した。
【スコア】
北朝鮮代表 2−3 イラン代表
【得点者】
0−1 29分 メフディ・ガエディ(イラン代表)
0−2 42分 モハマド・モヘビ(イラン代表)
0−3 45分 モハマド・モヘビ(イラン代表)
1−3 56分 オウンゴール(メフディ・タレミ/イラン代表)
2−3 59分 キム・ユソン(北朝鮮代表)