ザンクト・パウリは14日、クラブ公式サイトで今後『X(旧Twitter)』の投稿を停止することを発表した。
ブンデスリーガで現在16位のザンクト・パウリは、14日に「ソーシャルメディア・プラットフォーム『X』から撤退します」と声明を発表。「我々は2013年1月から『X』を使用し、現在約25万人のフォロワーを持っていますが、『X』のオーナーであるイーロン・マスク氏が、この言論スペースを(2025年2月に開催される)ドイツ議会選挙に影響を与えるほどのヘイト(憎しみ)の増幅機にしてしまったため、撤退します」と、理由が説明された。詳細は以下の通り。
「マスク氏は、以前『Twitter』と呼ばれたプラットフォームを引き継いでから、『X』をヘイトマシンに変えました。人種差別や陰謀論を野放しにして拡散することが許されており、これらがまとめて発信されたりもします。また、侮辱や脅迫は制限されることなく、言論の自由として売り出されている状態となっています」
「アメリカ大統領選挙での勝利後、ドナルド・トランプ氏はマスク氏を新しい政府部門(政府効率化省)のトップに抜擢しました。マスク氏はトランプ氏の陣営の主な支援者であり、トランプ氏支持のためにXを利用していました。『X』は今後のドイツの選挙戦でも権威主義的、厭世的、極右のコンテンツを宣伝し、これによって世論を誘導すると考えられます」
「ザンクト・パウリはすでに『X』の使用を抑制し、ヘイトに立ち向かうためにダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(社会的な一帯性)を支持する政治的声明を投稿する機会を増やしていました。そして今、クラブは『X』での活動を停止する方向で動いています。アカウントは今後使用されませんが、現代の歴史的価値を考慮して、過去11年間のコンテンツはオンライン上に残ります」
「クラブは、『X』に関して、どう対処するべきか、批判的な意見交換をしてくれた会員に感謝し、プラットフォーム上のフォロワーに(元Twitter CEOのジャック・ドーシー氏が立ち上げたSNS)『BlueSky』への切り替えを呼び掛けます。FCザンクトパウリの英語アカウントもBlueSkyに移行します」
なお、『X』の投稿を停止するのは、ブンデスリーガのクラブではザンクト・パウリが初となる。