俳優の横浜流星主演、藤井道人監督の映画『正体』(11月29日公開)より、メイキング写真が公開された。死刑判決を受けた主人公がある目的のために脱走し、間一髪の逃走を繰り返した“343日間”を描いた本作では、リアリティを追求し、撮影時期を夏と冬に分けて行った。メイキング写真にも季節によって変わる自然環境や光の特性が写り込み、本編に説得力を与える重要な要素となっていることがうかがえる。
【画像】吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之のメイキング写真も 映画『全員、片想い』(2016年)で意気投合し、映画『青の帰り道』(18年)から映画『ヴィレッジ』(23年)、Netflix映画『パレード』(24年)で、ともに作品を作り上げてきた藤井監督と横浜。約4年前、「横浜流星主演で長編映画を作る」と決めた藤井監督がその1本目として企画を立ち上げた本作は、劇中の季節と実際の季節が合うようにという藤井道人監督のこだわりのもと撮影がスタートした。
クランクインは、2023年7月。藤井監督は「順番が前後してしまいましたが、このタイミングで撮れてよかったとも思っています。最終形態に近いくらいお互いを知り尽くしていますから」とコメントを寄せている通り、お互いを知り、築き上げた信頼関係があるからこそ、阿吽の呼吸でお互いの意図を汲みながら撮影が進んでいった。
撮影を夏と冬に分割したことで「撮影済みのシーン」を客観的に見直し、「これから撮影するシーン」の整理や「作品全体」を俯瞰する時間を確保できたと、藤井監督は明かしている。その上で脚本を練り直し、いくつか新たなシーンも加えられたという。
原作は、染井為人氏の同名小説(光文社文庫)。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜)が脱走することから物語は始まる。全国に指名手配される中、偽名を使い、容姿を変えながら、沙耶香(吉岡里帆)、和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)らと出会う。そんな彼を刑事の又貫(山田孝之)は追い続ける。343日間の逃走の果てにたどり着いく真相とは?