11月17日、スペインのカタロニア・サーキットにてMotoGP第20戦ソリダリティGPが開催され、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が優勝。3位でゴールしたホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が2024年のチャンピオンを獲得した。
ポイントリーダーのマルティンとランキング2番手のバニャイアの差は19ポイント。熾烈なチャンピオン争いの決戦の舞台は、最終戦の決勝レースとなった。
バニャイアがチャンピオンを獲れるのは自身が優勝しマルティンが10位以下でゴールした時、もしくは2位でゴールしてマルティンが15位以下でゴールした時のどちらかだ。マルティンはフロントタイヤにハード、リヤタイヤにミディアムを、バニャイアはフロントにハード、リヤにソフトを選択してレースに挑んだ。
現地時間14時、気温18度、路面温度19度のドライコンディションの中、24周の戦いの火蓋が切って落とされる。ホールショットを獲得したのはポールポジションのバニャイア。そこにマルティン、マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)と続く。
2周目の1コーナーでマルク・マルケスがマルティンをパス、マルティンは3番手に後退する。
バニャイアはファステストラップを更新しながらトップで周回を重ねるが、マルケスもそこに食らいつき、バニャイアとマルケスのトップ2台が3番手のマルティンに0.6秒ほどの差をつけて抜け出していく。
マルティンの後ろでは、バスティアニーニとアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)
が抜きつ抜かれつのバトルを展開。さらにその後方ではアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)とフランコ・モルビデリ(プリマ・プラマック・レーシング)が7番手を争い、そこにブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)も絡んでいく。
6周目にエスパルガロが前に出ると、4番手争いは落ち着いた。その後バスティアニーニは集団の中で順位を落とし、10周目には8番手にまで後退。
この時点でのトップ5はバニャイア、マルク・マルケス、マルティン、エスパルガロ、アレックス・マルケス。先頭2台とマルティンの差は11周目突入時点で1.3秒にまで開く。
12周目、エスパルガロとアレックス・マルケスが4番手争いを繰り広げるが、エスパルガロがポジションをキープ。
その後バニャイアとマルケスの差が開き始め、残り10周のところで0.5秒差に。マルケスとマルティンの差は1.7秒とこちらも徐々にギャップが大きくなっていく。
後方ではペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)、バスティアニーニ、ビンダー、モルビデリが6番手集団を形成。6番手を走っていたアコスタはやや失速し、ラスト6周で8番手に後退する。反対に一度はポジションを落としていたバスティアニーニが再度6番手に。
残り4周、バニャイアとマルク・マルケスの差は1秒にまで開く。また、ここで再度アレックス・マルケスが4番手のエスパルガロに仕掛けはじめ、残り2周で前に出ることに成功。
ここからゴールまで順位は変わらず、バニャイアがホールショットから一度もトップを譲らずに優勝。スプリントレース、決勝レースともにポール・トゥ・ウインを決め、完璧な週末でシーズンを締め括った。2位はマルク・マルケスで、これによりバスティアニーニを逆転、ランキング3位でドゥカティ最初のシーズンを終えた。
そして、3位でゴールしたマルティンがシリーズチャンピオンを獲得。20戦40レースで計508ポイントをゲットし、バニャイアに10ポイント差をつけての初タイトル獲得となった。
日本勢最高位は11位でゴールしたファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)。チームメイトのアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)は残り6周でショートカットによるロングラップペナルティを受けた。さらにその完遂が不十分であったことを理由にダブルロングラップペナルティが科せられ、21位でフィニッシュした。
ホンダ勢最高位は14位のヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)。中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は17位で現役ラストレースを終えた。
リタイアは8周目に転倒したジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)のみであった。