俳優の柳葉敏郎(63)が17日、大阪市内で行われた主演映画『室井慎次 生き続ける者』(公開中)の舞台あいさつに登壇。「室井さ〜ん!」と迎えられ、万感の表情。共演の福本莉子、本広克行監督、亀山千広プロデューサーとともに「『踊る』は永久に不滅です!」と高らかに宣言した。
【写真】福本莉子をエスコート→客席を大捜査する柳葉敏郎 『踊る大捜査線』シリーズの12年ぶりとなる新作映画は『室井慎次 敗れざる者』と『室井慎次 生き続ける者』の2部作。警察を辞め、故郷・秋田に帰った室井(柳葉)は、事件の被害者家族・加害者家族を支援したいという思いで、里親になった少年たちと一緒に穏やかに暮らしていた。そんなある日、家の近くで他殺と思われる死体が発見され、レインボーブリッジ事件の犯人グループの1人だと分かる。日向真奈美の娘だという少女・杏(福本)も現れ、室井の日常が変化していく。今作をもって、室井の物語が完結する。
上映後、観客が涙を浮かべ、柳葉らを迎えた。柳葉は「いかがでしたでしょうか?自分が27年間付き合ってきた、室井の生き様は」と語りかけ、大きな拍手。オファーを受けたのは、ちょうど大阪で朝ドラ『ブギウギ』の撮影に参加していた頃だという。柳葉は「朝ドラ撮影の真っ最中で、それどころじゃないのに室井の話が届きまして、断ろうと思ったんです。なぜあの時断ろうと思ったのかなと、今、反省しております」と振り返った。
本広監督も乗り気ではなく、亀山プロデューサーは「大変でした」とぽつり。「柳葉敏郎を解放させてあげたい」と脚本の君塚良一氏が思いを込めたシナリオを受け取り、柳葉と本広監督を説得した過程を、笑いを交えて明かし、「柳葉敏郎さんとは大ゲンカもしまして。監督はそのケンカの瞬間にいたんですが、(これで撮影はないと)下を向いてニコニコ笑ってるんです」と暴露した。
Q&Aでは、中学生時代から『踊る』シリーズを追いかけ続けてきたファンが、涙ぐみながら柳葉に感謝し、「室井さんにかけてあげたい言葉は?」と聞いた。柳葉は「彼に声をかけるとしたら、『ようやったなー』ということですかね。あとは感謝。俺と27年間付き合ってくれてありがとう」としみじみ。最後は「室井さん、ほんまに、ありがとう」と関西弁で記されたボードと共に記念撮影に収まり、男泣きだった。