シャンソン歌手のクミコ(70)が18日、都内で行われた「第13回岩谷時子賞」受賞式で特別賞を受賞した。シャンソン歌手としての受賞は創設以来初となる。
今年は故越路吹雪さん生誕100年という記念の年。マネジャーだった岩谷さんが越路吹雪さんのため、急きょ「愛の讃歌」の日本語詞を書いたことが彼女の作詞家としてのデビューとなった。
クミコは受賞に際し「私にとって岩谷時子さんは、越路吹雪さんと一心同体の相棒。越路さんの歌うシャンソンはどれも岩谷さんの言葉ですが、実に耳馴染みが良く、でも、奥深い。その代表曲『愛の讃歌』は、若い頃から歌ってきましたが、やっと自分なりに歌えるようになったのは最近です。シャンソン歌手として、このような賞をいただくことは、これまでの道筋が間違っていなかった証のようで、ポンと後ろから背中を押されたような気持ちがします。本当にありがとうございます」とコメントした。
クミコの特別賞受賞を受け、音楽評論家の安倍寧氏と湯川れい子氏が祝福コメントを送った。
生前の岩谷時子や越路吹雪と交流があり、日生劇場のロングリサイタル実現に向けて大きな役割を果たした安倍氏は「この豊かで奥の深い歌いぶりはどこでどうして手に入れたのか。越路吹雪の超名唱でつとに有名な岩谷時子の歌詞が新たな生命力を得たかのように脈々と波打っている。きっと岩谷さんもコーちゃんも向うの世界で大喜びしていますよ。クミコさん、おめでとうございます」とつづった。
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クミコとも親交が深く、作詞も提供している湯川氏は「クミコさんが銀座の銀巴里に出演するようになって43年。岩谷先生の名訳詞で『愛の讃歌』を歌い続けて来られました。歌唱の深い魅力と、人気の高さにおいても、クミコさんの右に出る人は、フランスにも日本にも、他には存在しないと確信しています」とコメントした。
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