11月17日、2024年MotoGP第20戦ソリダリティGP MotoGPクラスの決勝がスペインのカタロニア・サーキットで行われ、中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)は17位でフィニッシュした。
2024年限りでフル参戦を終了し、2025年からはHRCのMotoGPマシン開発ライダーを務めることになっている中上にとって、この決勝はレギュラーライダーとして迎える最後のレース。朝のウォームアップ走行では、ホンダ勢トップに立つ12番手のタイムを記録し、決勝への準備を整えた。
土曜日の予選で20番手となった中上は、前後ハードタイヤを履いて決勝のグリッドに着く。
迎えたスタートで、中上はプレミアクラス7年目のベテランらしい的確な位置取りでポジションを上げ、17番手で1コーナーに突入した。
しかし、数台のマシンが横並びでコーナリングする混戦のなかでその位置を奪われ、オープニングラップを終えた時点での順位は22番手。ここから追い上げのレースが始まる。
翌周、中上はステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)をパスして順位を上げると、7周目にジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)が転倒リタイア。さらに10周目、前方を走るアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)をオーバーテイクし19番手でレースは折り返しへ。
レース後半、ペースを崩さず安定した走りを見せた中上は、19周目にアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)、22周目にラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)を抜いて17位でフィニッシュ。7年間の戦いに幕を下ろした。
レース後のコメントで、中上はチーム関係者に対する感謝の言葉を述べていた。チームからも「長年にわたる揺るぎない献身、課題に対する前向きな姿勢、闘志、そしてシーズンを通して出会ったすべてのメンバーに対する優しさに感謝している」と中上のレースに対する姿勢を称賛する言葉が送られている。
2025年からは開発ライダーとしてホンダのMotoGP参戦を支える中上。同じく今大会で現役を引退したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)も2025年からホンダの開発ライダーとして活動する。テストの経験が豊富なブラドルに加えて、レギュラー参戦直後の2名が開発を進める2025年のホンダ陣営の躍進に期待したい。
■イデミツ・ホンダLCR
中上貴晶(決勝:17位)
「もっと良い結果を望んでいましたが難しい状況だったので、レースを完走し、バイクとともにピットに戻ることだけに集中しました。これが最後のレースなので、それが主な目標でした。LCRチーム、HRC、そしてイデミツには、これまでのシーズンでの仕事とサポートに心から感謝しています。彼らは常に僕の心にいますし、彼らと共有した素晴らしい思い出は決して忘れません」