こんにちは! 二輪レース見習いライターのウチノアミです。今回は2024年MotoGP最終戦ソリダリティGPの取材でスペインのカタロニア・サーキットを訪れている私視点の、現地ネタをお届けします。
日本GPとは違い、ヨーロッパで開催されるグランプリは『コンチネンタル(大陸)サーカス』と呼ばれ、物資等の移動も主に陸路で行われます。そのため、パドック内には様々な形状のトラックが並びます。
マシンやパーツ、ピット設営などの道具を運ぶためのトラックやライダーがホテルがわりにする『キャンパー』はもちろんのこと、各チームのピット裏にはトレーラーを元に組み立てたチームオフィスやライダーの控え室が並びます。このようにトレーラーが立ち並ぶ様子は、ヨーロッパでのレースならではのもの。
もうひとつ、コンチネンタルGPらしいものといえば、『ホスピ』と呼ばれるホスピタリティ施設でしょう。ホスピはゲストをもてなしたり、ライダーやチームスタッフが食事や休憩をとったりするための場所。チームは毎戦豪華な建物を建設して、皆が一休みできる快適な環境をつくります。
実は、このホスピもトレーラーをベースに組み立てるものがほとんど。MotoGPクラスのチームは、基本的にトレーラーを2台並べ、その間に大きな部屋のような建物を作っています。このトレーラー内にキッチン等の設備があり、真ん中の大きなスペースに机や椅子、そして食べ物等の台や飲み物の冷蔵庫などを並べるのです。多くのホスピではカフェバーのような設備も整えられており、エスプレッソマシンで淹れた美味しいコーヒーも頂けます。また、モニターも完備しているので、ゲストはホスピの中で快適にレースを見ることができます。ホスピスタッフには元ホテルマンなどもいて、おもてなしのプロが歓迎してくれます。
チームによって形やサイズは様々で、いくつかのチームはホスピ前に自社のバイクを展示しています。また、電飾等が施されているものもあり、ホスピエリアは夜まで賑わいを見せます。
以下にMotoGP全チーム分のホスピの写真を一挙大公開します。
Moto2、Moto3のチームでも、大きなところは自チームのホスピを有しています。MotoGPクラスと比べて小規模であることが多く、サイドの部分が広がるトレーラーを用いていることがほとんどです。
例外はKTMのホスピ。このホスピは下位クラスのチームも使用するとても大きなもので、トレーラーをベースとしておらず、毎回1から組み立てているようです。建物も3階建て、しかもテラス付き。プレハブとは呼べないレベルのクオリティです。
ホスピは毎レースの火曜日や水曜日にチームのホスピスタッフによって建設され、月曜日にはバラして次の開催地へと移動されるそう。走りや車体、整備、タイヤなどレースに直接関わるプロだけでなく、建設、ホスピタリティなど様々なプロフェッショナルで構成されている世界選手権パドックであることがわかります。
今回は外観のみですが、いつか中も取材してお見せできるように頑張ります!