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作・演出の蓬莱竜太による新作書き下ろしとなる今作は、とある夫婦の10年間の軌跡を描く。主演の長澤と森山が芝居でしっかり絡むのは、2011年にロングランヒットを記録した映画『モテキ』以来、14年ぶり。この2人が今作で夫婦役を演じる。
現代社会では非常に生きづらい性質を持っている夫婦。故に2人は何となく協力するようにつがいになり、粛々と生活することを好んだ。口にしたことはないが、自分たちのことを理解できるのは自分たちだけで、互いに相手を理解していると思っていた。しかし、世界は向こうから入り込んでくる。共に生活する中で、やがてほころびやズレが生まれてくる。不器用な2人は、問題をうまく回避したり、解決したりするのが苦手であった。
ただ、世界に対してこの言いようのない焦燥感を理解できるのは、伴侶だけであると互いに信じている。信じようとしている。2人には分からない。自分たちは何でつながっているのか。信頼とか絆とかよく分からない。愛がよく分からない。そんな不器用な夫婦の10年の記録。
1999年の劇団モダンスイマーズの旗揚げ以来、全作品の作・演出を務めてきた蓬莱竜太。2019年には『ビューティフルワールド』で第27回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。外部公演も手掛け、数多くの演劇賞を受賞したほか、映画の脚本や人形劇ムービーで初監督を務めるなど、活躍の場を広げている。Bunkamura主催の公演では、2022年シアターコクーンにて上演の天海祐希×鈴木亮平ダブル主演による『広島ジャンゴ2022』で作・演出を務め、今回が二度目の登場となる。
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蓬莱は今作について「世界には夫婦の物語が無数に溢れていますが、新たな挑戦としてまだ言葉が見つかっていないような男女の関係を自分なりに描きたいと思っています。多分甘くない話です。だけど力のある作品にしたいです」と抱負を語った。
主演2人については「長澤まさみさんとは数年前に一人芝居の企画でご一緒して以来です。非常にタフさが必要な稽古でしたが、作品に真っ向からぶつかる姿勢や眼差し、自分と戦っているような在り方がとても印象的でした。立ち姿の美しい役者さんだと思っています。森山未來さんは知り合ってから随分と年月が経ちますが、仕事をするのは初めてです。才能があらゆる方向に伸びている彼ですが、彼の核のようなものを探して、触れることが出来たらと思っています。未來くんの感性と融合しつつ演劇を造れることは大きな刺激です」とコメント。「2人のタッグが強力で素晴らしいことは既に立証されていますが、だからこそ新しい関係性の2人をお見せすることが出来たらと思っています。『夫婦』の2人を楽しみに劇場にお越しください」としている。
Bunkamura Production 2025『おどる夫婦』は、東京・THEATER MILANO‐Zaにて2025年4月10日〜5月4日、大阪・森ノ宮ピロティホールにて2025年5月10〜19日、新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場にて2025年5月24・25日、長野・サントミューゼ 大ホール(上田市交流文化芸術センター)にて2025年5月31日・6月1日上演。