FIA F2、FIA F3などに参戦するARTグランプリは11月22日、ホンダ・フランスとのパートナーシップ締結を発表した。これにより、ホンダ・フランスからCR-Vが3台、ZR-Vが1台提供されるという。
ARTグランプリは現在はスクーデリア・フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが1996年に『ASM F3』として立ち上げたレーシングチームだ。現在はFIA F2、FIA F3をはじめフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ(FRECA)、F1アカデミーといったカテゴリーに参戦。これまでに200回以上の勝利、21回の国際チームタイトル、そして23回のドライバーズタイトル獲得を誇る。
F1をはじめとする自動車レースの最高峰で戦えるドライバーを育成することを指名としており、ルイス・ハミルトン、シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセル、エステバン・オコン、セバスチャン・ブエミといったドライバーが、同チームを経てF1にステップアップを果たしている。日本人では小林可夢偉(ASM F3時代)、山本左近、伊沢拓也、松下信治、福住仁嶺らが同チームから参戦経験がある。
そんなARTグランプリがホンダのフランス法人ホンダ・フランスとパートナーシップを締結した。ARTグランプリのリリースには「1964年のドイツGPでモータースポーツにデビューして以来、ホンダはレース界のパイオニア、そしてイノベーターとしての評価を築いてきた。限界を押し広げ、絶えず革新を続けるという精神に突き動かされるホンダの哲学は、ARTグランプリのDNAと完全に一致している。このパートナーシップは自然な流れで、最先端のテクノロジー、情熱、卓越性を融合した厳しいモータースポーツ文化という共通のビジョンを持つ2つの組織を結び付けている」としている。
具体的なパートナーシップの内容は、ホンダCR-Vが3台、ZR-Vが1台と、e:HEV搭載の計4台の車両がARTグランプリに提供されるというものだ。
「ホンダのDNAは、イノベーション、パフォーマンス、そして卓越性の追求の上に成り立っている。これらの共通の価値観を持つARTグランプリと協力し、次世代の才能に国際舞台で活躍し、目立つ機会を提供することは自然な流れだ」と、ホンダ・フランスの自動車部門ディレクターを務めるジャン=アレクシス・ビデはコメント。
「このパートナーシップは、世界中のサーキットで成功を収めてきた価値観を守りながら、若いドライバーの育成に重点を置き、モータースポーツの未来を育むという、60年以上にわたる私たちの継続的な取り組みを反映している」
そして2000年全日本F3選手権チャンピオンを経て、スーパーGT GT500クラスなどで活躍し、現在はARTグランプリのチーム代表を務めるセバスチャン・フィリップは「ホンダ・フランスとのパートナーシップに興奮している。ホンダは数十年にわたりモータースポーツに携わり、輝かしい歴史を誇り、今日もその実力を証明し続けている」と、コメント。
「私たちは、パフォーマンス、信頼性、卓越性という同じ価値観を共有している。今後はエキサイティングなプロジェクトが待ち受けており、このパートナーシップは重要な第一歩となる。このコラボレーションに尽力してくれたチームとホンダに感謝している」
2024年シーズンはアルピーヌF1やウイリアムズF1の育成ドライバーを起用するARTグランプリ。今後、同チームのロゴが描かれたCR-VやZR-Vをヨーロッパのサーキットで目にすることもありそうだ。