“2022年アメリカで最も売れた恋愛小説”を原作に映画化した『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』から、主演・製作のブレイク・ライヴリーが“愛する人からの暴力”をテーマに描く物語への思いを告白。本作を通して「こういう状況には誰だって陥ることがあるということを伝えたかった」と明かした。
本作は作家コリーン・フーヴァーによる著書(日本語版タイトル:「イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる」二見書房刊)を実写化した映画。
理想のフラワーショップを開くという夢を実現すべく、ボストンにやってきた女性リリーは、クールでセクシーな脳神経外科医ライル(ジャスティン・バルドーニ)と出会い情熱的な恋に落ちていく。しかしリリーを想うライルの愛は次第に望まぬ方向に加速していき、次第に暴力という形で表れ始める。自分の信じる未来を手にするため、リリーは過去の自分自身と向き合い、ある決意を胸にする――。
そんな本作でリリー役を演じたブレイク・ライヴリーは、「リリーは、過去のトラウマを抱えながらも強く生きていて、自分の事業を持つとても賢い女性です。この映画を観るとそんな人が暴力なんか受けるわけがない、と思うかもしれませんが、こういう状況には誰だって陥ることがあるということを伝えたかった」と言い、「一見、確固たる自分を持っている人が道を見失っている様子を共有することが重要だと思ったんです。他人がどんな思いをしているかなんて、本当のところはまったく分からないと気づかされました」と語る。
また、「このような物語は多くの場合、暴力を振るう人が完全な悪人で、その相手が弱くてかわいそうな被害者として描かれがちです。でも実際は、白黒はっきりしなかったり、それが暴力なのかすらとてもあいまいで混乱した状況から始まることが多いんです」とも話す。
「そしてどんなにしっかりした人でも、危険信号を見逃してしまうことがある。リリーの物語を通してそういう気づきがあるといいなと思います」とし、「人生という旅路は、始まりや終わりがはっきりしていないこともある、厄介なものです。強いけど弱い。しっかりしているけど間違いを犯す。道を見失って新しい道を見つける。そんなリリーの姿が、自分は独りぼっちだと感じている誰かの孤独感を少しでも軽減できたらいいなと願っています」と思いを明かした。
そんな本作の原作小説は、作者コリーン・フーヴァーの幼少期の実体験を基に書かれた物語。コリーン・フーヴァーの母親は彼女が幼い頃に夫から暴力を受けており、幼い子ども達を連れて逃げ出す経験をしている。
そんな母親をより深く理解することを目的にこの物語を書き始めたというコリーン・フーヴァーは、「この本を読んだ母が泣きながら電話をかけてきて、『夫のもとを去るという選択が正しかったと完全に信じたことは今日まで一度もなかった』と伝えてきました。私達から父親という存在を取り上げてしまうことで悲しませてしまったのではないかと考えていたと。母はこの本を読んで、あのときの選択は正しかったのだと、ようやくこの問題に終止符を打つことができたんです」と明かしている。
愛する人からの暴力に直面したリリーの葛藤や苦悩、そして再生が描かれる切なくも力強い物語となる本作。
本日11月25日(月)は国連によって定められた「女性に対する暴力撤廃の国際デー」。「人権デー」の12月10日(火)までを「女性に対する暴力撤廃の16日運動」として、毎年女性に対する暴力問題への認識を高めるためのグローバルキャンペーンが行われており、日本各地でも様々な取り組みが行われている。
『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』は全国にて公開中。
(シネマカフェ編集部)